結婚につながる良き出会いを求めて、婚活パーティーに足を運ぶ独身女性たち。しかし、男性の中には、すでに結婚している不届き者が紛れていることも少なくないようだ。
弁護士ドットコムにも「婚活パーティーで知り合った交際相手が既婚者でした。慰謝料を請求したい」という女性が相談を寄せている。
相談者によると、婚活パーティーは「独身者限定」となっており、独身であることの誓約書を書かせるものだったという。相手男性からは「結婚前提のお付き合い」を申し込まれ、身体の関係も持っていたようだ。
「二度と婚活女性を騙すような酷い事をしないように、男性には懲りてもらいたい」と相談者は憤慨している。相手男性に慰謝料を請求するためには、どのような証拠を集めるべきだろうか。鬼沢健士弁護士に聞いた。
●「婚活パーティーへの参加」自体が偽っている証拠になり得る
ーー相手男性に慰謝料請求をすることはできるのか
「この女性は、貞操権を侵害されているとして、相手男性に対して慰謝料を請求することができると考えられます。
貞操権とは、自己の意思に反して性的な侵害を受けない権利のことです。
女性は、相手男性が独身であると信じ、結婚を前提に交際していました。しかし、実際には相手男性は既婚者で『結婚意思がなかった』といえます。そのため、女性は意に反して性交渉をしているといえ、貞操権が侵害されていると考えられます」
ーー慰謝料請求するためには、どのような証拠を集めるべきか
「婚活パーティーに参加していたこと自体が偽っている証拠になり得ます。ほかにも、結婚を前提としていたことがわかるものや結婚に向けて第三者に紹介したことなどを裏付けるものを集めておくといいでしょう。
そのほかには、交際期間、性交渉があったことなども明らかにする必要があります。一般的にこれらの事項はメールやLINEなどを証拠にすることが多いです。
もし、堕胎をしている場合など、慰謝料が増額することもあるので、証拠を確保しておいた方がいいでしょう」
●「独身証明書」をお互いに見せ合うのがベスト
ーー相談者にかぎらず、婚活パーティーで既婚者と出会ったという声は少なくない。既婚者ではない独身男性と出会うために、どのようなことに気をつけるべきだろうか
「婚活パーティーに参加するとき、主催者は『独身証明書』というものを提出させていることがあります。独身証明書は、文字通り『独身であること』を証明する書類で、本籍地の自治体が発行してくれる公的な書類になります。
ただし、独身証明書を提出させていない婚活パーティーは珍しくなく、既婚者が紛れ込むことがあります。そのため、独身であることを明らかにするには、独身証明書を見せてもらう(お互いに見せ合う)のがベストです。
他方で『今は既婚だけどすぐに離婚する』と言う相手には要注意です。相手男性との性交渉が不貞行為になってしまい、慰謝料を請求されてしまうおそれがあるからです」