スピード離婚を明らかにしたタレントの加藤紗里さんの発言に非難が殺到している。
昨年9月に7歳年上の不動産会社経営の男性と結婚した加藤さんだったが、1月10日にYouTubeにアップした動画の中ですでに離婚していたことを発表した。かねてからお金持ちの男性にしか興味がないと公言していたが、お金がなくなったことが離婚の原因のひとつだったそうだ。
加藤さんは交際を始めた5月から交際して3カ月で「1億円以上使わせた」と明かした。高額の高級ブランドとして知られる「ハリー・ウィンストン」の指輪など散財の結果、元夫の会社の経営が傾いたという。「そんなもんで傾く男いらないでしょ」と続けた。
さらに、入籍後1週間で別居していたことや、離婚してからすでに複数の男性と交際していることも告白している。当然ながらと言うべきか、YouTubeのコメント欄には「旦那さんかわいそう…」との声があふれている。
また、動画公開後に受けたAERA.dotの取材に対して、加藤さんは逆に元夫を「結婚詐欺罪で訴えたい」とも語っています。結婚後、金銭的に加藤さんを満足させられなくなるなら、先に「断れ」という理由だそうです。
この加藤さんの発言に対しては「元夫がかわいそう。お金は返すべき」といった声がネットではみられます。
元夫が1億円以上の大金を貢いだ時期の詳細は不明ですが、加藤さんに対してお金の返還は求めることができるのでしょうか。冨本和男弁護士に聞いてみました。
●「元夫からのプレゼントを返還する必要はない」
「結論から言えば、加藤さんは元夫から贈られたプレゼントは返還する必要はありません」
ーーなぜでしょうか
「通常、夫婦が離婚する際には、財産分与をします。婚姻中の財産には『共有財産』と『特有財産』の2種類があります。共有財産とは、夫婦が協力して築いた財産のことで、財産分与の対象となります。
一方で『特有財産』とは、親からの贈与や相続などのことです。特有財産については、財産分与の対象とはなりません。また独身時代に貯めたお金で購入したものも、財産分与の対象外となります」
ーー婚姻期間中、あるいは婚姻前に元夫からもらったプレゼントは「特有財産」ということでしょうか
「原則として、そうなります。ただし、その家の資産とするためなど、加藤さんに所有させるためだけの『プレゼント』でなかった場合には、共有財産となることもあります」
ーー加藤さんは、婚約指輪、結婚指輪として「ハリー・ウィンストン」の指輪をもらっています。
「財産分与において、金額の高い婚約指輪の所有権をめぐって争うことはよくあります。贈った側の気持ちはわかりますが、離婚後も、婚約指輪の所有権は贈られた側にありますので、加藤さんの特有財産となります。この指輪については返還する必要はありません」
ーー結婚後に高額なプレゼントをもらっていた場合には、どうなりますか
「どのような名目でもらったかによって異なります。元夫が加藤さんに『プレゼント』として加藤さんに所有させる意思をもって贈った場合には、所有権は妻が持ちます。
一方で、資産とするため、あるいは高級家電など共同で使用するために購入したものであって、加藤さんのみに贈ったものでない場合には、そのプレゼントは共有財産と判断される可能性も出てくるでしょう」