2019年04月14日 09時13分

JASRAC、戦い続け80年 キャバレー、カラオケ、ファイル共有、音楽教室…主要トピックス年表

JASRAC、戦い続け80年 キャバレー、カラオケ、ファイル共有、音楽教室…主要トピックス年表
JASRACのビル

JASRAC(日本音楽著作権協会)は、前身となる大日本音楽著作権協会が1939年に設立されてから、今年で80年の節目を迎えた。その歴史は、著作権侵害との戦いと言ってもいいだろう。キャバレー(社交場)での音楽利用から、カラオケの登場、さらにはデジタル技術の進展により、戦う相手も変わってきた。JASRACが刊行した「JASRAC70年史」(2009年)と、JASRACのプレスリリース、過去の報道などをもとに「80年の年表」を作成した。

●JASRAC設立から1950年代

1939年(昭和14年)
 └大日本音楽著作権協会(JASRAC前身)設立

1940年(昭和15年)
 └業務開始(職員:3人、信託者1号:島崎藤村)

1945年(昭和20年)
 └終戦、キャバレー(社交場)の勃興

1946年(昭和21年)
 └リンゴの唄が大ヒット

1948年(昭和23年)
 └社団法人 日本音楽著作権協会と改称
 └社交場(キャバレー)と契約開始
(キャバレーなどでの音楽利用からも使用料を徴収することになった)

1953年(昭和28年)
 └テレビ局開局
 └無断演奏による著作権侵害で、社交場を告訴

1954年(昭和29年)
 └池袋東映劇場事件
 (管理楽曲を無断利用しようとしていた興行会社の演奏禁止仮処分を申し立て、東京地裁はJASRACの主張を認める決定)

1957年(昭和32年)
 └JASRACが正式名称に(Japan Society for Rights of Authors and Composers)
 └有線放送の出現
(札幌市で、レコード音楽を有線で配信する「ミュージックサプライ」が現れて、著作権問題に発展。レコード会社が利用禁止をもとめてミュージックサプライを札幌地裁に提訴。レコードの出所を明示する限りは許諾を得なくても有線放送できると判断)

1959年(昭和34年)
 └中部観光事件
(名古屋地区最大手の社交場業者・中部観光を相手取り、証拠保全の申し立て、演奏禁止の仮処分を申し立て。著作権について初めて間接強制が認められた)

テレビ

●1960年代〜1970年代

1960年(昭和35年)
 └中部観光事件、高裁判決確定

1961年(昭和36年)
 └国税庁が非課税法人と認定

1962年(昭和37年)
 └警察官による業務妨害事件
 (岡山県倉敷市のキャバレーで、利用許諾契約の説明に赴いた職員が、県警に連行・拘束された事件。著作権法違反を幇助する行為をしたとして、警察官を特別公務員職権乱用、業務妨害で告訴)

1963年(昭和38年)
 └警察官による業務妨害事件を受けて、警察庁は「警察官実務概要」に著作権法を入れて、著作権法違反の取り締まりについて指示する措置を講じた。

1967年(昭和42年)
 └ナニワ観光事件(支払い延滞のキャバレーに対して、延滞料、違約金、演奏禁止を命じる判決。演奏禁止は初。

1968年(昭和43年)
 └文化庁発足

1969年(昭和44年)
 └東海観光事件で最高裁が判決
 (東海観光が経営する3店舗で無断演奏を継続。最高裁まで争われ、店側の抗告を棄却。著作権をめぐるJASRACの訴訟で初の最高裁判決となる)

1970年(昭和45年)
 └著作権法全面改正法案、全会一致で成立
 └東海観光代表に対して、懲役6カ月・執行猶予3年判決。音楽著作権事件で初めての刑事罰判決。
 └JASRAC許諾シールの偽造者に対して、懲役1年6カ月・執行猶予4年。録音物に関する初判決(1972年)。

1974年(昭和49年)
 └フォルスター事務所廃業
 (JASRACが国内唯一の音楽著作権管理事業者に)

1976年(昭和51年)
 └VHS発売

1977年(昭和52年)
 └海賊版音楽テープで、著作権法違反初の実刑判決

1979年(昭和54年)
 └放送ブランケット(包括契約)裁定案を受け入れ

●1980年代〜1990年代

CD

1982年(昭和57年)
 └CD発売
 └パロディの著作権問題
 (アルファレコード発売の「タモリ3」が物議。結局販売中止・解決金)
 └「にほんの館」事件、最高裁が小規模の管理方法は妥当と判断

1984年(昭和59年)
 └カラオケボックスの普及
 └著作権法改正、貸与権を新設
 (貸レコードや、貸テープなど著作物の複製物の貸与について貸与権を設けた)
 └初のカラオケ判決
 (福岡高裁がクラブキャッツアイなど3店舗に対し、使用料の支払いを命じた一審を支持)

1985年(昭和60年)
 └カラオケ使用料徴収で基本合意

1987年(昭和62年)
 └カラオケ管理業務、全国一斉に開始
 └テレホンサービスから使用料徴収
 └違法ビデオ製造・レンタル事業者を提訴

1988年(昭和63年)
 └キャッツアイ事件、最高裁で確定

1989年(平成元年)
 └CD-Rの登場

1990年(平成2年)
 └カラオケ管理で初の逮捕者

1992年(平成4年)
 └私的録音・録画補償金制度の導入

1994年(平成6年)
 └本部事務所移転問題
 └古賀財団提訴など内紛が起きる

1996年(平成8年)
 └カラオケ歌唱店で初判断

1998年(平成10年)
 └デジタル録画機器等に補償金

●2000年代〜現在

MX

2000年(平成12年)
 └ビッグエコー上尾店事件、上告棄却
 └カラオケボックス集団訴訟でJASRACが全面勝訴

2001年(平成13年)
 └ビデオメイツ訴訟、最高裁でJASRAC全面勝訴
 └カラオケリース事業者の注意義務を示した
 └ファイル交換(WinMX)ユーザー逮捕(2002年罰金命令)

2002年(平成14年)
 └プロバイダ責任制限法施行

2003年(平成15年)
 └MMO(ファイルローグ)事件、ファイル交換サービス訴訟で終局判決

2004年(平成16年)
 └愛知県の社交ダンス教室に損害賠償を命じる判決が確定
 └Winny開発者逮捕 (2006年京都地裁で有罪、2009年大阪高裁で逆転無罪、2011年最高裁でも無罪となったが、2013年開発者は亡くなった)

2005年(平成17年)
 └YouTube登場
 └記念樹事件の控訴審でJASRAC逆転勝訴の判決

2006年(平成18年)
 └ニコニコ動画登場
 └CATV事件、最高裁が上告受理の申立ての不受理を決定

2007年(平成19年)
 └MYUTA事件、運営会社の請求を東京地裁が棄却

2008年(平成20年)
 └TVブレイク事件、動画投稿サイトの運営事業者を提訴
 └週刊ダイヤモンドによる名誉毀損事件、東京高裁も出版社などの責任を認定

2009年(平成21年)
 └放送事業者との包括契約が、私的独占にあたるとして、公取委がJASRACに排除措置命令

2010年(平成22年)
 └ファイル共有ソフト「Share」を用いた音楽ファイルを違法アップロードした者に有罪判決

2012年(平成24年)
 └TVブレイク事件、運営事業者に対して、動画ファイルの送信差し止めと著作権侵害による損害賠償1億円(遅延損害金含む)の支払い命令が確定(最高裁)

2016年(平成28年)
 └JASRACが放送局と結んでいる包括利用許諾契約について、公正取引委員会がJASRACに独占禁止法違反(私的独占の禁止)で排除措置命令を出していた問題で、JASRACが命令の取り消しを求める審判請求を取り下げ
(JASRACは、イーライセンス、放送事業者間の協議で、利用割合の算出方法について合意したことなどを取り下げの理由としている)
 └BGMを利用する美容室などの店舗に対して全国一斉に法的措置

2017年(平成29年)
 └JASRACが音楽教室から著作権使用料を徴収すると表明
 └音楽教室側の団体「音楽教育を守る会」がJASRACに徴収権限がないことの確認を求めて提訴
 └ファンキー末吉氏の経営するライブハウスにおける生演奏の著作権使用料めぐる訴訟、JASRACの勝訴確定

2018年(平成30年)
 └文化庁がJASRACによる音楽教室からの著作権使用料の徴収を容認するとの裁定を関係者に通知
 └BGM利用店舗の経営者に対する訴訟で初の判決。JASRACが勝訴
 └BGMを利用していながら著作権の手続きをしていない全国151事業者、166店舗に対して、民事調停の申し立て

2019年(平成31年)
 └Twitterを利用した海賊版販売について、JASRACが初の刑事告訴

(弁護士ドットコムニュース)

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