京都大学の学園祭「11月祭」(NF)の事務局は9月13日、ツイッター上で、ことしの統一テーマが「(NFテーマは当局により撤去されました)」に決まった、と発表した。名物「立て看板」の撤去や吉田寮の退去などで揺れる中、大学側を風刺した内容となっており、ネット上では早くも「さすが京大」という声があがるなど、注目をあつめている。
●過去の統一テーマ「人が右なら 私は左」(1992年)など
京大の11月祭は、関西最大規模の学園祭で、ことしの開催(11月22日〜25日)で、ちょうど60回目をむかえる。毎回、統一テーマを発表しているが、大学や社会を風刺・批判した内容など、京大らしい一風変わったものが、学生による投票で選ばれている。
11月祭事務局の公式サイトには、過去の統一テーマも掲載されている。たとえば、次のようなものがあった。
「戦争に加担した大学から平和を希求する大学へ
軍事研究するヒマがあったら、みんなで肩組んで騒ごうぜ!」(2017年・第59回)
「京大を、取り戻す。大学の理想、形を物語るのは、学生であります」(2013年・第55回)
「年に一度の計画発電」(2011年・第53回)
「仕分けできないムダがある」(2010年・第52回)
「人が右なら 私は左」(1992年・第34回)
「白い乳房の上の11月祭」(1987年・第29回)
「独占資本主義社会におけるマゾヒズムとサディズムの意識」(1960年・第2回)
●台風の影響で「タテカン」が消えた!?
京大は自由な学風で知られているが、ことしに入って、「京大らしい」文化があいついで消滅の危機に瀕している。今回の統一テーマに関連する「立て看板」(タテカン)をめぐっては、京都市から景観条例違反の指導を受けていた大学が5月、一斉撤去して、一部の学生たちが反発した。
吉田キャンパス外壁には、一斉撤去後もゲリラ的にタテカンが立てかけられていたが、14日現在、吉田寮前など一部をのぞいてなくなっている。京大広報によると、「台風21号の影響もあり、自主撤去されている。最近はほとんど見かけない」という。11月祭事務局は、弁護士ドットコムニュースの取材に「コメントできない」とした。