「はっきり言っておかないといけません。私は、ブリーフの写真で、裁判所から注意を受けたことは一度もないです。それは、はっきりと言っておきます。あれは、裁判所当局も問題にしていないんです。本当はそう思っているかもしれませんが、裁判所当局は一切批判していません。明示的に言われたことはありません」
東京高裁の岡口基一裁判官は現在、ツイッターへの投稿内容が問題視されて、裁判官の免官・懲戒に関する「分限裁判」にかけられている。9月11日、最高裁の審問のあと、司法記者クラブで記者会見を開いて、このように明かした。
岡口裁判官といえば、ツイッターのアイコンが、自身の白ブリーフ姿の写真であることから、一部メディア上で「ブリーフ裁判官」などと注目をあつめた。この日の記者会見でも、「分限裁判に『白ブリーフ』写真が影響しているのか」という質問があがったが、まったく関係がないということだ。
●「私は1人としてブロックしたことがありません」
今回の分限裁判で問題とされているのは、放置された犬を保護した人物が、飼い主から返還を求められた裁判の控訴審で、東京高裁が返還を認めたというニュースを紹介したツイートだ。岡口裁判官はこの日の会見で、「裁判官としてでなく、あくまで私人としてツイッターを利用していた」と強調した。
さらに、岡口裁判官は「ツイッターを持っていたほうがよい」と述べ、次のようにその効用を説いた。
「私はこれまで1人としてブロックしたことがありません。すべて読んでいます。だから、書かれたい放題で、常に炎上の危機があり、非常に鍛えられます。変なことを書いたとき、『それはおかしいでしょ』といろんなコメントがきます」
「裁判官は、22歳で就職したサラリーマン(みたいなもの)です。世間と関わるなと言われて、世間を知りようがありません。せめてコメント欄で叩かれれば・・・だんだん軌道修正されていくという利点があると思います」
●「津田さんも言ってますが、『牧歌的時代は終わったんだ』と思います」
岡口裁判官のツイッター観は、「みんなで、おもしろおかしくやる場」というものだという。「あれ(白ブリーフ姿)は、1つのキャラクターとして、現実とまったく対極にあるものとして選んでいた」と話す。
一方で、最近、ツイッターそのものが変わってきて、和やかな場でなくなってきており、少しでも失言があればガンガン攻撃する場になっているというのだ。そのような状況のもとで、岡口裁判官のアカウントは7月ごろから凍結されている。
「昔は、みんなで、ああいうの(白ブリーフ姿)を面白がっていたのが、ツイッターのいいところだった。(ジャーナリストの)津田大介さんも言っていますが、『牧歌的時代は終わったんだ』と思います。昔は楽しかったです」
【ノーカット動画】岡口基一裁判官、司法記者クラブ会見