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「存在しない事実で懲戒請求された」神原弁護士が請求者を提訴
東京地裁(route134/PIXTA)

「存在しない事実で懲戒請求された」神原弁護士が請求者を提訴

不当な懲戒請求によって名誉を傷つけられたうえ、その反証のために労力を費やさざるをえず、精神的苦痛を受けたとして、神奈川県弁護士会に所属する神原元弁護士が5月9日、懲戒請求をおこなった相手に対して、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

弁護士の懲戒請求をめぐっては、あるブログが発端になって、神原弁護士以外にも、大量におこなわれていることが問題になっている。このブログは、朝鮮学校への補助金交付などを求める各弁護士会の声明に反発したもので、懲戒請求のテンプレートを配布していた。

●原告側「違法行為をした事実はまったくない」

訴状によると、被告は2017年6月、神奈川県弁護士会に対して、神原弁護士ら複数の弁護士を対象として、弁護士法に基づく懲戒請求をおこなった。同弁護士会綱紀委員会は2018年4月、神原弁護士らを懲戒しないと判断した。

懲戒理由として、「違法である朝鮮学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重、三重の確信的犯罪行為である」などと書かれていたという。

原告は「少なくとも朝鮮学校補助金要求に関連して違法行為をした事実はまったくない」「存在しない事実について、あえて懲戒請求を申し立てていたことが明らかだ」としている。現時点で、被告数や請求額などは明らかにされていない。

最高裁の判例では、事実上または法律上の根拠を欠く場合において、請求者がそのことを知りながら、または普通の注意を払えば知りえたのに、あえて懲戒請求していれば不法行為にあたる、とされている。日弁連によると、2017年だけで組織的な懲戒請求は約13万件あり、その多くが問題のブログに起因するものとみられる。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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