「ろくでなし子」のペンネームで活動する女性漫画家が、女性器の形として出力される「3Dプリンタ用のデータ」を他人に送信したとして、わいせつ電磁的記録頒布罪の容疑で逮捕された事件。ネット上では即時釈放を求める署名活動が展開されているが、支援者のなかには留置場を訪れて、直接励まそうという人もいる。
女性漫画家の勾留が7月15日に決まったことを受け、彼女の友人たちは16日午前、東京都内の留置場を訪れ、面会した。そのうちの一人、編集者の赤谷まりえさんは、逮捕時の様子や留置場での状況などについて話を聞いたという。
●「お風呂は5日ぶり」の不自由な生活
「ろくでなし子さんは、心配していたよりも元気そうでした。でも、自分のものを何も持ち込めず、何をするにも看守の許可が必要で、とても不自由だと話していました。お風呂にも5日ぶりに、やっと入れたということです。
いまは、同じ部屋に4人でいるそうで、その人たちから、ろくでなし子さんの単行本『デコまん』を読みたいという話が出たそうです。今度、本を差し入れることになりました」
逮捕後初めての一般面会を終え、赤谷さんはほっとした表情を見せる。
●「カップ付きインナー」もダメだった
この日、赤谷さんたちは、差し入れの衣類を持参したが、一部は受け付けてもらえなかった。
「ろくでなし子さんの気分を慰めようと思って、かわいい色の靴下も持ってきたのですが、『長すぎる』と差し入れさせてもらえませんでした。絶対好きな色だと思ったんですけどね・・・。また、留置場ではブラジャーはダメだと聞いていたので、カップ付きのインナーを持ってきたのに、それもダメだと言われてしまいました。服の形が規定に合わなかったようです」
赤谷さんは、突き返されてしまった衣類を手に、こう話していた。
フェイスブックで「支援ページ」を立ち上げた赤谷さんは「今回の事件は、長びく可能性もあると思います。弁護士の方々とも連絡をとりながら、彼女の戦う姿勢に寄りそって、じっくりと支援していくつもりです」と力を込めていた。
●この事件は「表現の自由の問題」
一方、当番弁護士として派遣され、事件を受任した須見健矢弁護士は15日、弁護士ドットコムの取材に対し、次のように話した。
「本人は『わいせつではない』と主張していますし、『表現の自由』の問題として頑張ると言っています。私も気を引き締めて取り組んでいます。まずは、できるだけ早い段階で、勾留に対して不服申立をしていきます」