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「最近、国会議員や政党が、報道の自由を尊重せず」 日弁連会長が「報道圧力」を批判
日弁連の村越進会長(2015年7月9日撮影)

「最近、国会議員や政党が、報道の自由を尊重せず」 日弁連会長が「報道圧力」を批判

日本弁護士連合会(村越進会長)は7月24日、「最近、国会議員や政党が、報道の自由を尊重せず、報道を萎縮させて自由な報道活動を阻害しかねない事案を生じさせている」として、「国や政党・国会議員が、自由な報道活動を抑圧・萎縮させることは許されない」と呼びかける会長声明を発表した。

日弁連は、与党・自民党による二つの動きを取り上げて、批判している。

一つは今年4月、自民党の情報通信戦略調査会が、NHKとテレ朝の幹部を呼んで事情聴取をしたことだ。

この事情聴取について声明は「政党が、特定の放送内容を捉えて事情聴取を行うことは、政党が、国会・政府に対する影響力を行使して、その放送事業者の放送内容について恣意的干渉を行うのではないかとの危惧を生じさせるものであり、その放送事業者の報道内容についての萎縮を招きかねない」「放送事業者の報道の自由を尊重する放送法の趣旨に反しているというべき」と指摘している。

もう一つは今年6月、自民党議員が開いた「文化芸術懇話会」に出席した同党議員が、安保法制を批判する報道に関して、「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」と発言したことだ。

この点について声明は、「政権与党に批判的な報道内容を、経済的圧力によって封じ込めることを意図するものであり、冒頭で述べたとおり、憲法21条によって表現の自由を保障し、自由な言論の場を通じて民主政治を実現することを目指す日本国憲法の基本理念にもとるものである。有志の勉強会とはいえ、政府に対して直接・間接の影響力を持つ存在である政党の議員が多数集まる場での発言は、それ自体が報道機関の萎縮を招くおそれがあり、到底容認できない」と批判した。

声明は、国会議員や政党に対して「報道機関の自律および報道の自由を尊重し、今後、本件のような聴取や発言を行わないこと」を求めた。また、報道機関に対しては「萎縮することなく自らの放送の自由を全うすること」を求めた。

声明の全文は日本弁護士連合会(日弁連)のサイトに掲載されている。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2015/150724_2.html

(弁護士ドットコムニュース)

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