逆転負けを喫したものの、日本中から熱いエールが送られたサッカーワールドカップの日本対コートジボワール戦。6月15日にテレビ中継したのはNHKだが、試合開始が日曜の午前10時(日本時間)という時間帯だったため、ゆっくり観戦できた人も多かっただろう。だが、開催地は地球の反対側のブラジル。現地時間で午後10時キックオフという異例の「深夜ゲーム」となった。
午後10時のキックオフは、今大会の全試合日程の中で、このゲームしかない。なぜ、このような時間帯になったのだろうか。
●もともとは「7時開始」だった
ワールドカップの予選リーグの組み合わせと試合時間が決まったのは、昨年の12月6日(現地時間)。しかし翌日の7日には、国際サッカー連盟(FIFA)が、日本対コートジボワール戦の開始時刻について、午後7時(日本時間午前7時)から午後10時(同午前10時)に変更すると、発表している。
12月8日のサンケイスポーツの報道によると、日本協会関係者は「テレビ中継の関係などで、2試合まで変えられる規定がある」と説明したという。一方、12月10日の読売新聞は、「一部の試合会場で予想される酷暑に対応するもの」と報じている。
この不可解な試合時間について、テレビで議論した情報番組がある。6月16日朝に放送されたTOKYO MXテレビの「モーニングCROSS」だ。
番組にコメンテイターとして出演したタレントのフィフィさんは「日本の選手たちは、夜ボールを蹴ることに慣れてないじゃないですか。熱い国の人たちは、夜に蹴りますけど」「(選手たちが)かわいそう。見る側のことしか考えてないのも悲しいかな」と嘆いた。
番組の司会で、元NHKアナウンサーの堀潤さんも、この問題についてコメント。
「そこが、巨大なビジネスとしてのスポーツの祭典なわけですよ。実際ありましたよ、オリンピック中継とかも。舞台裏でいうと、スキーの選手が中継のタイミングにあわせて、テレビ局側がキューを出すと。だから、風がやんでるのに飛ばないといけないとか。ディレクター内でも、『本当にいいのかこれで』というのがありました」と、手をたたいて悔しがった。
このテーマに関して、ツイッター上では、
「結局、プロスポーツにも『大人の事情』がめいっぱい絡んでるってことか」
「10時の試合、選手のコンディションに加えて、試合後ホテルへ帰るサポーターの安全が心配でした」
「観る側にあわせるのでなく、選手の力が出やすい時間帯に放送してくれて、いい試合見れた方がうれしいけどねぇ~」
などのコメントが書き込まれていた。