裁判所の許可なく少年審判を録音したことなどを理由に、大阪家裁の西川知一郎所長が国選付添人の中道一政弁護士を懲戒するよう大阪弁護士会に求めていたことがわかった。懲戒請求は6月29日付。中道弁護士は懲戒事由に当たらないと主張するといい、裁判所内での無断録音について、弁護士会が何らかの判断を迫られることになりそうだ。
問題になったのは5月11日と16日の少年審判期日。11日は証人尋問があり、中道弁護士は裁判官の許可なく録音し、裁判所側の録音データを聞かせてくれない限り削除には応じられないとした。
続く16日の期日でもデータの削除を求められたが、調書異議への対応がないと削除はできないなどと押し問答になり、退廷命令を受けたという。
中道弁護士は取材に対し、「次回期日までに証人尋問調書が完成しない可能性があると言われていた。少年事件ではよくあることだが、短期間で非行事実の存否について、より丁寧な書面を書くためには、必ずしも正確ではない記憶に頼るだけでなく、録音があったほうが良い」と話した。
期日の録音をめぐっては、中道弁護士は同じく5月にあった大阪地裁の刑事裁判で、公判を録音しようとして退廷命令を受け、制裁裁判で3万円の過料を命じられていた。