演劇や映画界のハラスメント撲滅に取り組んできた馬奈木厳太郎弁護士は3月1日、依頼人だった女性に対して自らセクハラをおこなったと告白し、謝罪した。馬奈木弁護士は、劇団やドラマの制作現場でハラスメントの「予防講習」をおこなっていたことで知られる。
馬奈木弁護士は1日夜、ネットで「ご報告と謝罪」という文書を公表した。
文書によると、馬奈木弁護士は、相手の女性と数年来の付き合いで、「プライベートでも頻繁に連絡を取り合い、食事なども共にする仲」だったという。「既婚者でありながら、その方に好意を抱いてしまいました」としている。
女性の身体に触れたり、性的関係を誘うメッセージを送っており、女性が拒んでも、真摯に受け止めずに「自ら都合のよい方向に解釈し、性的関係を迫る言動を続け、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その方を追い込み苦しめてしまいました」。
こうした行為について、「私自身の認知の歪みや、自らの言葉の『暴力』性に対する無自覚によるもの」で「卑劣な、人として許されない行為です」と謝罪した。
馬奈木弁護士は、女性に対して、代理人の弁護士を介して謝罪を伝えたという。また、懲戒請求も受けていることを明かし、今後は、ハラスメント講習の講師などの活動は一切おこなわないとしている。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)