KADOKAWAは7月27日、夏野剛代表取締役社長が役員報酬の一部を返上すると発表した。本人から報酬の返上の申し出があったという。
夏野さんは7月21日に出演したインターネット放送局ABEMAのニュース番組で「クソなね、ピアノの発表会なんかどうでもいいでしょう、五輪に比べれば」「それを一緒にするアホな国民感情に、やっぱ今年選挙があるから乗らざるを得ないんですよ」などと発言。
また同日、少年誌の水着グラビアについての議論の中で「グラビアより過激な漫画が日本はあふれている。よくグーグルとかAppleの審査に通らないんですよ。それも含めて、どこまでは公共でいいけど、どこからはダメというのを、もう1回このネット時代にふさわしく、基準作り直さないといけないのかなとすごく感じますが、僕がいる出版業界は自由派ばっかりなんだけど」などとコメントし、批判が集まっていた。
これに対し、ニコニコの栗田穣崇代表(ドワンゴCOO)は7月26日、自身のツイッターで「ニコニコはプラットフォームとしての表現規制方針を現状から変更する予定はありません。ニコニコ漫画も同様です」と表明していた。
KADOKAWAは「番組内での発言は、個人の立場として番組に参加したものでしたが、当社代表取締役社長として大変不適切なものであり、当人も深く反省しております。また当人の番組内での一連の発言は、当社の事業運営方針と関連性がないものです」としている。
夏野社長は2021年8月から10月までの3カ月間、役員報酬の月額の20%をそれぞれ自主返納する。
夏野社長は7月23日、自身のツイッターで「私のAbemaPrimeでの発言で、アホとかクソという言葉を使ったのは、番組の雰囲気に甘えた極めて不適切な発言でした。不快に思われた方々に心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」と謝罪している。
KADOKAWA広報部は弁護士ドットコムニュースの取材に「報酬の一部自主返上は、当人が、出演したAbemaTV番組内( 7月21日放送) における、オリンピックに関するものをはじめとした一連の発言を反省し、当社に申し出たものです。具体的な発言の特定は差し控えさせて頂きます」とコメントした。
(編注:7月28日13時 夏野社長と栗田代表の表現規制に関するコメントを追記しました。17時 KADOKAWA広報部のコメントを追記しました)