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「離婚した」と嘘をついた彼、逆ギレして私に暴行…刑事責任を問いたい
写真はイメージです(buritora / PIXTA)

「離婚した」と嘘をついた彼、逆ギレして私に暴行…刑事責任を問いたい

既婚者と知らずに、交際してしまった。相手に法的な責任を問えないか? そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

交際当初、相手は「離婚届を出している」と言い、現在は独身だと伝えてきたそうです。交際は順調に進み、婚約指輪をもらい、LINEで「婚約ね!」とやり取りした履歴も残っています。相談者が30万円ほど立て替えで、買ってあげたものもあります。

しかし、ある日、相手が離婚しておらず今も結婚していることが発覚したのです。すると、相談者の部屋の合鍵を持つ交際相手は、婚約指輪やドライブレコーダーを無断で持って行ったそうです。

また、相談者を撮影した画像データを削除するように求めたところ、両手を掴まれ、投げ飛ばされ、怪我を負いました。交際相手からは「家族はうまくいっているし、離婚するつもりはない」と言われ、現在は音信不通だといいます。

相談者は詐欺にあったと被害届を出し、何らかの制裁を与えたいと考えているようです。このような場合、どのような対応が取れるのでしょうか。西山良紀弁護士に聞きました。

●「詐欺罪」成立しなくても刑事事件になり得る

——相談者はどのような対応ができるのでしょうか

記載されている相談内容だけでは、詐欺罪が成立するかどうかはわかりませんが、交際相手の行為は、窃盗罪、暴行罪又は傷害罪などに該当すると思います。警察署に被害届か告訴状を提出されるとよいでしょう。

ただし、犯罪を立証する証拠が十分でない場合には、交際相手が刑事処分されないことは勿論、被害届や告訴状を受理してもらえない可能性もあります。

——結婚を約束したからこそ支払った金額は多く、相談者は慰謝料として請求できないかと考えているようです。

婚約が成立していた可能性があります。交際相手に、婚約不履行に対する慰謝料請求も考えられます。

いずれも証拠の存在が重要なので、LINEの履歴など証拠になりそうなものはしっかり残してください。

最後に、今後の方針を決めるために、弁護士のところに相談に行ってください。交際相手が既婚者であることを知った後も不倫を継続した場合など、交際相手の妻から慰謝料請求されるリスクを検討する必要があると思います。

プロフィール

西山 良紀
西山 良紀(にしやま よしのり)弁護士 リライト神戸法律事務所
兵庫県弁護士会所属。 離婚・男女問題、遺産相続、労働問題、債権回収などを多く扱う。 昼食の大半はラーメン。鶏がら・豚骨から出汁をとってラーメンを自作することもある。独立する際に、前所属事務所からもらった餞別は寸胴鍋とオリジナルラーメン鉢。

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