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2020年11月25日 19時15分

「同性愛者と暴露、許されない」判決に明記 一橋大アウティング控訴審、遺族敗訴も「再発防止の基礎になる」

「同性愛者と暴露、許されない」判決に明記 一橋大アウティング控訴審、遺族敗訴も「再発防止の基礎になる」
涙を拭う亡くなった学生の母親(2020年11月25日、編集部撮影)

同性愛者であることを暴露(アウティング)され、転落死した一橋大ロースクールの男子学生の遺族が、学校側の対応に問題があったとして起こしていた「一橋大アウティング事件」の控訴審判決が11月25日、東京高裁(村上正敏裁判長)であり、一審に続いて、遺族側の請求が退けられた。

ただし判決には、一審では言及されなかったアウティングへの評価が明記された。

「本件アウティングは(…)人格権ないしプライバシー権等を著しく侵害するものであって、許されない行為であることは明らかである」

判決はさらに、亡くなった学生とLINEグループ内で暴露した同級生との間に、「少なからざる葛藤があった可能性がうかがわれるが、そうであったとしても、そのことは本件アウティングを正当化する事情とは言えない」と補足している。

アウティングへの判断は、遺族が高裁でも強く求めてきた事柄だった。亡くなった学生の妹は「再発防止策の根底になっていく結果になったのは良かった」と評価した。遺族側は判決を受け入れ、上告はしない方針だという。

なお、暴露した学生とは一審の途中で和解している。

●大学の対応、違法なものとまでいうの困難

この事件では、学生はアウティングを受けたあと、大学側に相談を繰り返しており、遺族は大学側の対応に安全配慮義務違反があると主張していた。

判決は、大学側の一部対応について、より踏み込んだ対応ができた可能性を指摘しつつも、違法なものとまでいうことは困難などと判断した。

一方、この点について、遺族側代理人の南和行弁護士は事件以降の時代の変化をあげ、現在の安全配慮義務のハードルは当時よりも高くなっているのではないかと話した。

代理人の南和行弁護士(左)と吉田昌史弁護士

●「アウティングNG」の認識広まる

実際に2016年の提訴以来、一橋大のある国立市では、アウティング禁止条例が2018年4月に施行された。大学やほかの自治体でも対応を検討する動きが広がっている。

学生の父親は「アウティングがいけないと認知されてきた。訴訟を起こした頃に比べたら、だいぶ時代は変わってきた」と振り返った。

母親は言葉を詰まらせながら「(この事件が一橋大の)授業で伝えられるときが来るんじゃないかと思っています。そう願います」とコメントした。

一橋大はウェブページに「改めて亡くなられた学生のご冥福をお祈りし、遺族の方々に弔意を表します」「引き続き、学内におけるマイノリティーの方々の権利についての啓発と保護に努めて参ります」とのコメントを掲載している。

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