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2020年06月28日 09時59分

ラーメン屋に「不味い」と伝えたい客、「犯罪なのか」と心配する…弁護士の見解は?

ラーメン屋に「不味い」と伝えたい客、「犯罪なのか」と心配する…弁護士の見解は?
画像はイメージです(Fast&Slow/PIXTA)

ラーメン屋など、飲食店で「不味い」と思ったことはあるかもしれないが、そのことを店主に直接伝えたという人はさすがに少ないかもしれない。

一方で、弁護士ドットコムに寄せられた相談の中に「店主にはっきり不味いと伝えることは罪に問われるか?」という内容のものがあった。

投稿者によると、みんなが「不味い」と認識している場合を考えているようだ。ネット上では、こうした飲食店の評判に関する書き込みがよくされている。

はたして、はっきりと「不味い」と伝えることは、法的に問題あるのだろうか。田中一哉弁護士に聞いた。

●店主本人に伝えても「法的な問題」は生じない

「店主本人だけに『不味い』と伝えても、法的な問題は生じません。

ただし、ほかの客がいるような場面で『不味い』と伝える場合は、形式的には、刑事の『侮辱罪』(刑法231条)や民事の『名誉感情侵害』が問題になります。

しかし、発言者が、実際にその店のラーメンを食べたうえで、正直な感想としてそのような発言をしたのであれば、やはり法的問題にはならないでしょう。

最高裁が言うところの『社会通念上許される限度を超えた侮辱』とは言えないからです」

●裁判所の反応は冷たい

ネット上に『不味い』と書き込むような場合はどうだろうか。

「これについても同様に法的問題は生じません。

私自身、過去に類似の口コミについて、削除や開示請求をしたことがありますが、裁判所の反応は一様に冷たいです。

その背景には『マイナス評価であっても、世間一般に知らしめることが公共の利益になる』という判断があるようです(そのような裁判例もあります)。

つまり、口コミの閲覧者は、プラス・マイナス両方の評価をあわせ読むことで、その店舗について、より正確な評価を下すことができる、ということです」

●ネット書き込みの課題

「ただし、このような考え方は、すべての口コミが実体験に基づき、正確に投稿されていることを前提にされています。実際には、そのような口コミばかりではないという点に問題があります。

つまり、ネットに投稿される口コミには、競合店が嫌がらせ目的で投稿しているものや、いわゆる口コミ代行業者によるものが少なからずあるということです。

このような現状をどう法的手続きの中に反映させていくかが、今後の課題になると思います。現状では、このような虚偽の口コミについても、なかなか消すことができず、営業主が救済されない状況にあります」

取材協力弁護士

田中 一哉(たなか・かずや)弁護士
東京弁護士会所属。早稲田大学商学部卒。筑波大学システム情報工学研究科修了(工学修士)。2007年8月 弁護士登録(登録番号35821)。現在、ネット事件専門の弁護士としてウェブ上の有害情報の削除、投稿者に対する法的責任追及などに従事している。

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