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日弁連会長に仙台の荒氏「旭川から沖縄まで支持を受け、オール日弁連の礎築けた」
次期日弁連会長に決まった荒中氏

日弁連会長に仙台の荒氏「旭川から沖縄まで支持を受け、オール日弁連の礎築けた」

2020、2021年度の日本弁護士連合会会長選挙の再投票と開票が、3月11日にあった。開票の仮集計の結果、仙台弁護士会の荒中氏が得票と、最多得票となった弁護士会数の2つで、第二東京弁護士会の山岸良太氏を上回り、当選を決めた。34年ぶりの東京・大阪以外からの選出となり、荒弁護士は同日、都内で会見し、「そろそろ地方の声が反映できる日弁連になって良いという、(会員の)思いがあったと思う」との見解を示した。荒氏は34期。

11日17時35分時点での、両候補の得票数と最多得票となった弁護士会の数は、荒氏が10145票で39弁護士会、山岸氏は9537票で12弁護士会。東京弁護士会と第一東京弁護士会において、荒氏は山岸氏の得票数を上回った。投票率は、47.24%で、1回目の49.92%から低下した。

直接選挙制度になった1975年以来、東京三会と大阪弁護士会以外に所属する日弁連会長は、34年ぶり2人目。

同日会見した荒氏は出馬の理由について「平成の間(東京と大阪以外から)誰一人、日弁連会長選に立候補すらしていない。地方も中央もなく、街弁も大きな事務所もなく、オール日弁連でないと、大きな力を発揮できない」と説明。39弁護士会で最多得票となったことを踏まえて、「旭川から沖縄まで満遍なく支持を受け、オール日弁連の礎を築けたと思う」とした。

34年ぶりの地方出身の日弁連会長になることについては、今回他にも東京・大阪以外からの立候補者がいた点を踏まえて「そろそろ地方の声が反映できる日弁連になって良いという、(会員の)思いがあったと思う」「地方の事務所で仕事していないと肌感覚として、地方で弁護士をする意味合いを十分理解してもらえないのではないか」などと話し、地方の都市型公設事務所の支援などに力をいれる考えをしめした。

法曹養成問題については、日弁連が合格者1500人を掲げてきた中、「私は(1500人の目標)達成されたという前提で、公約として、2年間で検証手続きを進め、結論を出すとしてきた。どのように本格的な検証に取り組むかを協議して、組織を作らないといけない」とした。

法曹志望者の増加については、法科大学院制度が3プラス2の方向に動く中、「制度がゆらいでいるときに良い人材が集まるわけがないと思う。若い人に対して『手塩にかけて、あなたたちを育てるんだ』ということを見せていかないといけないと思う」とした。

荒氏は、福島県相馬市出身で、東日本大震災の被災者や、現在感染が拡大している新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業などの支援で音頭をとっていく意向も示した。

荒氏は、2009年度に日弁連副会長(主担当:法テラス)、2012年度から2年間、日弁連事務総長などを歴任した。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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