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ろくでなし子
2014年12月05日 13時25分

ろくでなし子さんはいつまで「身体拘束」されるのか? わいせつ物陳列容疑で「逮捕」

ろくでなし子さんはいつまで「身体拘束」されるのか? わいせつ物陳列容疑で「逮捕」
12月3日に再び逮捕されたろくでなし子さん(2014日7月18日撮影)

女性器をモチーフにした作品で知られる芸術家ろくでなし子さんと、作家でアダルトグッズショップを経営する北原みのりさんが12月3日に逮捕された。

ろくでなし子さんと北原さんは昨年から今年7月にかけて、女性器をかたどった作品を北原さんの経営する店舗に展示していた疑いがあるとして、わいせつ物公然陳列罪の容疑で逮捕された。

ろくでなし子さんについてはほかに、女性器をスキャンして作った3Dプリンタ用のデータを昨年10月に配布したり、そのデータが入ったCDを今年5月に配布したなどとして、わいせつ電磁的記録頒布などの容疑もかけられている。

ろくでなし子さんは今年7月にも、わいせつ電磁的記録の容疑で逮捕されたが、7日目に釈放されている。今回の逮捕についても、ネットでは「身柄を拘束する必要がない」として、すぐに釈放するよう求める署名活動が起きている。

今後、2人はいつまで身体を拘束される可能性があるのだろうか。刑事裁判の手続について、元裁判官の田沢剛弁護士に聞いた。

●逮捕後48時間以内に警察から検察へ

「刑事事件で逮捕されると、通常の場合、逮捕から72時間は警察・検察に身柄を拘束されることになります。

警察も検察も『留置の必要がない』と判断した場合には、直ちに被疑者を釈放しなければなりません。

一方で、警察が逮捕した被疑者を留置する必要があると判断したときは、48時間以内に被疑者の身柄を検察に送ることになります。

そして、身柄を受け取った検察が、留置の必要があると判断したときは、24時間以内に、被疑者の身柄をさらに継続して拘束する『勾留』を行うよう裁判官に請求します。

逮捕が12月3日の午前ですと、身柄送検のタイミングが12月5日午前まで。勾留請求が12月6日の午前まで、ということになります」

●起訴前の身体拘束は最大23日間

勾留が認められた場合、どうなるのだろうか?

「もし勾留請求が裁判官に認められ、裁判官が勾留状を発付した場合、被疑者は勾留を請求した日から10日間勾留されることになります。

10日が経過する際に、その後も勾留を続ける必要性があれば、検察官は勾留の延長を裁判官に請求します。そこで、裁判官が勾留延長の決定を出せば、勾留期間はさらに延長されます。

ごく一部の犯罪を除いて、延長できる期間は通算で10日ですので、勾留期間は最大で20日間となります。

つまり、被疑者は逮捕から勾留請求までの期間(最長72時間)と合わせて、最大で23日間、身体を拘束されることになります。ただ、勾留期間は請求された日の午前0時から起算になり、請求された日が1日とカウントされますので、必ずしも23日分まるまる拘束されるとは限りません。検察官は基本的に、この間に起訴するか・しないかを決めることになります」

●釈放の可能性は?

ろくでなし子さんが7月に逮捕されたときはその後、釈放されたが、今回もそうなる可能性はあるのだろうか?

「そもそも『勾留』は、有罪と決まったわけでもない人の身柄を拘束し、人の自由を奪うことになりますので、犯罪の嫌疑があったうえで、逃亡や証拠隠滅の恐れなど、一定の理由がない限り認められないことになっています。

検察の勾留請求を認めて勾留状を発付するかどうかは、裁判官が判断します。つまり、裁判官が認めないと被疑者は勾留されず、釈放されることになります」

前回、ろくでなし子さんが釈放されたのは、「準抗告」という手続だったが、それはどういうものなのだろうか。

「準抗告というのは、裁判官が『勾留』を決定した後に、勾留される側が行う不服申立ての手続です。

最初の勾留決定の判断はひとりの裁判官が行いますが、準抗告を認めるかどうかの判断は『裁判所』、つまり複数の裁判官の合議体で行います」

前回は、その準抗告が認められた。つまり、東京地裁がろくでなし子さんを勾留する理由がないと判断したわけだ。

●起訴された場合は?

もし、検察官が、2人を「起訴する」と判断した場合、どんな手続になるのだろうか。

「その場合、刑事裁判の手続が始まり、起訴された被疑者は、刑事被告人として扱われます。勾留されている状態で起訴された場合、『起訴後も勾留』されることが一般的です。

ただし、起訴後の勾留は、期間が原則2カ月で、1カ月ごとに更新される可能性があるほか、『保釈』といって保釈保証金と引き替えに身柄拘束を一時的に解かれる制度があるなど、起訴前の勾留とは内容が大きく違います」

ろくでなし子さん、北原みのりさんの2人はこれまで、メディアを通じて活発に意見を発信してきた「論客」としても知られる。2人がいつまでその身柄を拘束されるのかについても、注目が集まりそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

田沢 剛弁護士
1967年、大阪府四条畷市生まれ。94年に裁判官任官(名古屋地方裁判所)。以降、広島地方・家庭裁判所福山支部、横浜地方裁判所勤務を経て、02年に弁護士登録。相模原で開業後、新横浜へ事務所を移転。得意案件は倒産処理、交通事故(被害者側)などの一般民事。趣味は、テニス、バレーボール。
所在エリア:
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事務所URL:http://www.uc-law.jp
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