リツイートするだけでお金が舞い込んでくるという、不思議な「青い象」の画像がツイッター上で大量にリツイートされ、話題になっている。なかには、20万以上リツイートされたものもある。
最初に誰が始めたのかは不明だが、「青い象」をリツイートした人は「親が急におこづかいをくれた」「お金を拾った」「みんなもリツイートしてみて!」と呼び掛けている。ほかにも、リツイートすると運気があがる「黄色い象」、恋愛運が上がる「赤い象」など、さまざまなバージョンが存在する。
ただ、ツイートのなかには「リツイートしないと不幸になる」「友達や恋人を失うでしょう」などと、人の不安をあおるものもある。人の不安につけこむような方法でリツイートを求めることは、犯罪にならないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
●強要罪にはあたらない?
「古くは『不幸の手紙』や『チェーンメール』が社会的に問題視された時期がありました。今回のケースは、こうした事例の現代版ともいえるケースでしょう。
ただ、結論から言えば、今回のケースは犯罪にはあたらないと思います」
冨本弁護士はこのように述べる。なぜだろうか。
「今回のようなケースでは、強要罪にあたるかどうかが問題になるでしょう。
強要罪といういうのは、簡単に説明すると、脅したり、暴行したりして、人に義務のないことを無理やりさせることです。
『リツイートしないと不幸になる』といった文言は、漠然と人を不安な気持ちにさせる可能性は否定できませんが、それだけで、人に義務のないことを無理やりさせるような『脅迫』にはあたらないと思います。
たとえば、ふつうの人と比べて、特別に迷信深く、臆病な人がいたとしましょう。その人が臆病で、こうしたメールを送れば従うと知ったうえで、そうした人に向けて、こうした文章をメールで送るといった場合は、強要罪にあたる可能性はあります。
ですが、不特定多数の人が閲覧することが予定されているツイートでは、そうしたことは起こらないと思います。
迷惑な行為だとは思いますが、こうしたツイートをしても、犯罪とまではいえないでしょう」
冨本弁護士はこのように述べていた。