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2016年03月09日 11時35分

ノリスケが冷蔵庫のジェラートを勝手に食べて、タラちゃん号泣・・・犯罪ではないか?

ノリスケが冷蔵庫のジェラートを勝手に食べて、タラちゃん号泣・・・犯罪ではないか?
写真はイメージ

国民的アニメ「サザエさん」の登場キャラクター、ノリスケさんの傍若無人な振る舞いに、「ノリスケがクズすぎる」などツイッター上で怒りの声が上がっている。

問題となったのは、3月6日に放送された「ジェラちゃんとノリスケ」。出版社で編集者の仕事をしているノリスケさんは、作家・伊佐坂先生の原稿ができあがるまで、その自宅の近所にある磯野家で休憩させてもらうことにした。家族は買い物にでかけたため、一人で留守番をすることになった。

ノリスケさんは「喉が渇いたな」といって冷蔵庫を勝手に物色し、冷凍庫に保存されていたジェラートを発見。「お、ジェラートか。磯野家には似合わないものが入っているなー」と言って、ひとりで2個完食してしまった。

ところが、そのジェラートは、タラちゃんとワカメちゃんが食べるのを楽しみにしていたものだった。その後帰宅したタラちゃんは、磯野家の居間で昼寝しているノリスケさんの横で、空になったジェラートの箱を発見。「僕のジェラちゃんが・・・」といって泣き出してしまった。

その後、ノリスケさんは食べてしまったジェラートを神戸から取り寄せて磯野家に弁償したが、たいして反省した様子はなかった・・・。

ノリスケさんは、主人公・サザエさんの従兄弟だ。親戚とはいえ、他人の家の冷蔵庫を勝手に物色して、食べ物を食べる行為は法的には問題ないのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●波平が告訴しないかぎり、処罰されることはない。

「以前もワカメちゃんの友人、ホリカワ君の奇行について解説しましたが(https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_3095/)、今回もサザエさん事件の解説をさせていただきます。時間があれば見ているのですが、今回は見逃してしまいました」

西口弁護士はこのように述べる。ノリスケさんの行動をどう考えればいいのか。

「ノリスケさんがジェラートを勝手に食べてしまう行為は、他人のモノを、その意に反して自分のモノにしてしまう行為ですから、窃盗罪(刑法235条)にあたります」

ただ、ノリスケさんは、サザエさんの従兄弟で、波平さんの甥という設定だ。ジェラートはもともと波平さんがもらってきたモノなので、波平さんの所有物だと考えると、ノリスケさんは叔父のモノを勝手に盗んだことになる。このように親族のモノを盗んだ場合、赤の他人とは事情が違ってくるのだろうか。

「こうした親族間における窃盗のケースは『親族相盗例』(刑法244条)と呼ばれており、刑の免除などの特別ルールが定められています。

ノリスケさんは、同居の親族ではないので、刑が免除されるわけではありませんが(244条1項)、波平さんが『告訴』をしない限り処罰されることはありません(244条2項)。

こういうケースで普通『告訴』まではしないでしょうけどね。この親族相盗例のルールは『法律は家庭に入らない』という意味で設けられたんですね」

●ノリスケさんはジェラートを弁償しているが・・・

「刑事上の責任とは別に、民法709条に規定される損害賠償責任も負うことになります。損害額はジェラート代金相当額になりますね」

ノリスケさんは、後日食べてしまったジェラートを神戸から取り寄せて弁償している。これで、損害賠償責任を果たしたといえるのか。また、仮に怒った波平さんがノリスケさんを告訴して、刑事裁判となった場合、弁償したという事情は評価されるのか。

「被害を弁償したからといって法的責任はなくなるわけではないので、窃盗罪の成立は否定されません。仮に裁判になった場合、『被害弁償をした』という事情を裁判官が考慮して、刑が軽くなる可能性が出てくるだけです。

また、民事上の損害賠償請求についても、基本的にはお金で解決することになるので、存続します。ジェラートを返した行為で賠償はできたと評価もできますが、それは波平さんしだいです。

アニメの世界でも結構法律的な問題があったりするんですね」

西口弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

西口 竜司弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。
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