「弁護士は魔法使いじゃない」恩師の言葉を胸に、真摯に依頼者と向き合う
修習中の出会いをきっかけに弁護士の道へ
ーー弁護士を目指したきっかけは何ですか。
両親が裁判所の書記官をしていたので、幼い頃から裁判所は身近な存在でした。裁判所の一般向けのイベントに連れて行ってもらって裁判官席に座ったり、「裁判所ではこんな手続きをしているんだよ」と教えてもらったり。そんな環境で育ったので、自然と将来は法律を扱う仕事につきたいと思うようになりました。
中学高校時代は回り道をしたこともあったのですが、20歳のときに一念発起して大学を受験し、法学部へ進学しました。大学に入学した後は必死に勉強を重ね、なんとか司法試験にも合格することができました。
当初は裁判官になろうと考えていたのですが、司法修習中にある弁護士の方と出会ったことをきっかけに、弁護士になろうと決意しました。
その弁護士は私の指導担当だったのですが、とても親身になって指導をしてくれ、私にとって「弁護士としてあるべき姿」を教えてくれた弁護士でした。
修習中にその方から「弁護士は魔法使いじゃない」と言われたことがあります。「弁護士だからといって依頼者の望みを何でも叶えられるなんて考えてはいけない。それでもできることを、ベストを尽くして必死でやりなさい」。
そういう意味がこめられた言葉だと思っています。この言葉は、今でも胸に刻んで仕事に臨んでいます。
交通事故と労働問題に注力
ーー現在注力している分野について教えてください。
交通事故と労働問題に注力しています。交通事故に注力したのは、私自身が交通事故の加害者と被害者両方の立場を経験したことがきっかけです。
どちらも怪我人が出たわけではなく軽微な事故だったのですが、交通事故はどんなに気をつけていても、いつ巻き込まれるかわからないということを身をもって学びました。
それ以来、弁護士になったら交通事故の当事者の力になりたいと考えるようになりました。そして、現在は、被害者、加害者いずれの依頼にも対応させていただいております。
労働問題については、企業の顧問だけでなく、労働者側からの相談にも対応しています。企業・労働者双方のために、会社が適正に運営される手伝いをしたいと思い取り組んでいます。
いわゆる大手の企業であっても、法的に不備のあるルールのもとに運営されていることが少なくありません。
たとえば、本来は従業員に最低限法令で定められた休暇を与えなければならないのに、シフトが足りないからと言って休暇も与えずに働かせ続けた結果、従業員が体を壊して労災の問題に発展したケースがありました。
このケースでは、従業員自身も「会社の言うことは聞かないといけない」と思い込んで無理に働き続けていました。日本でよくある過労問題です。使用者は人材を酷使した結果、大切な労力を失うことになり、労働者は身体を壊してしまっていて、双方にとって不利益です。
そうしたことにならないように、使用者側、労働者双方が幸せになれるように法的なアドバイスを行っています。
このように、交通事故と労働問題については、それぞれ、加害者と被害者、使用者と労働者という対立する双方の立場を理解していることは、ひとつの強みではないかと考えています。
少年事件、刑事事件にも取り組みたい
ーー休日の過ごし方を教えてください。
最近子どもが生まれたので、休日は育児に励んでいます。一緒に散歩して公園に行ったり、まだ小さいのですがとてもかわいいです。
大学ではじめた「居合」を弁護士になってからも続けているのですが、今は家族との時間を最優先にしています。
ーー今後取り組みたい領域などはありますか。
私自身、学生時代は色々と悩み道に迷っていた時期だったので、少年たちの力になりたいという思いがあります。そのため、今後は少年事件にもこれまで以上に取り組んでいけたらと考えています。少年と向き合って、彼らが少しずつ良い方向へ変化していく姿を見ると、とてもやりがいを感じます。同じように、刑事事件も今まで以上に扱っていけたらと考えています。
ーートラブルを抱えて、悩んでいる方へメッセージをお願いします。
一人で悩んでいても問題は解決しません。今ではネットで調べれば法的トラブルに関する情報が無数に出てきますが、その解決方法が自身の問題に合っているとは限りません。悩みを抱えていたら、ぜひ気軽に弁護士に相談してほしいと思います。