
「依頼者が前向きに変わっていく姿」を何よりもやりがいに、依頼者にとって最善の選択を後押し
「困っている人と関わり、共に悩みを解決できる仕事がしたい」
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学では心理学を学んでいて、当初は臨床心理士や家庭裁判所調査官になることを考えていました。しかし、勉強を続けるうちに、困っている人とより密接に関わり、共に悩みを解決できる仕事がしたいと思いが強くなってきて、弁護士になればそうした思いが実現できるのではないかと考えたんです。
いきなり司法試験を目指すのはハードルが高く感じたので、まずは司法書士の資格を取得して、大学卒業後はしばらく司法書士として働いていました。司法書士もやりがいのある仕事でしたが、弁護士と比べると扱える領域が限定されていたので、次第に物足りなさも感じるようになりました。
そこでやはり弁護士を目指そうと一念発起して、法科大学院に進学することを決意しました。
ーー今の事務所はどのような経緯で開設されたのでしょうか。
九州で司法修習を終えて、しばらく東京で働いた後、縁があって名古屋にある事務所に勤めることになりました。その後、同じく名古屋にある事務所に移籍し、損害保険会社の顧問弁護士として交通事故に注力したのですが、個人で受任していた案件も多かったため、両立が難しくなり、独立を決意しました。
依頼者が後悔のない選択ができるようサポート
ーー現在の注力分野とその分野に注力されている理由を教えてください。
労働と離婚分野です。もともと勤めていた事務所が力を入れていたため、自然と注力するようになりました。
ーー仕事をされる上で心掛けていることを教えてください。
依頼者自身に選択してもらうことです。どんな解決策であってもメリットデメリットがあり、人それぞれに価値観があります。たとえ弁護士がよいと思う選択であっても、依頼者にとってベストな選択かどうかはわかりません。
他人に言われるがままに選択をしてしまうと、思うようにいかなかった時に後悔が残ります。依頼者には「後悔しない選択をしてください」と伝えるようにしています。
もちろん、依頼者が納得感を持って選択できるようなサポートは全力でします。複雑な法律をできるだけかみ砕いて説明し一緒に考え、依頼者が前向きな気持ちで未来に進めるよう力を尽くします。
ーー弁護士としてやりがいを感じるのはどんな時ですか。
依頼者が前向きに変わっていく姿を目にした時です。
印象に残っているのは離婚問題で相談に訪れた男性が変わっていくのも目の当たりにしたときでした。依頼者は妻に出ていかれ子どもにも会えず、相談に来た時はまさに精神的にどん底の状態でした。
それが、交渉や手続きを経て面会交流で子どもに会えるようになり、次第に生気を取り戻していく様子が側から見ていて実感できるほどでした。
結果的に離婚せざるを得なかったものの、離婚後の生活も力強く前を進んでいくと意思を示してくれました。人はこんなにも変わるものかと驚かされると同時に、依頼者と長く密に関わってきよかったと心から思いました。
初心を忘れず依頼者に向き合う
ーー休日の過ごし方を教えてください。
正直なところあまり休みはありません。ただ、根を詰めて仕事ばかりしていると発想が固まってしまうので、数か月に一度は、海や山など遠出しています。仕事のことを全く考えず自然に触れていると、いざ次に仕事をするときに不思議といいアイディアが浮かんできます。
ーー今後の展望を教えてください。
引き続き弁護士として経験とスキルを高めていきたいと思います。一方で、「困っている人の役に立ちたい」という初心は常に忘れずにいたいと思っています。
また、弁護士事務所の敷居を低くしたいと考えています。私自身、文学部の学生だった頃は、弁護士は遠い存在で敷居が高いと思っていました。「弁護士と話すのは緊張する」「法律事務所に行きづらい」と感じる方の気持ちもよくわかります。
しかし、今自分が弁護士になって思うのは、弁護士はそれ程、特別な職業ではないということです。多くの方が抱く弁護士のイメージとのギャップを埋められるような対応を心掛けていきたいです。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
どんな悩みでも解決策はあるはずです。一人で考えていると行き詰り、気持ちも落ち込んでしまうと思います。ぜひ、気軽に相談してください。