「触れられたくないところにこそ問題の根がある」企業の頼れるパートナーとしてトラブル解決に尽力
企業法務と顧問業務をメインに担当
ーー弁護士を目指したきっかけや、理由を教えてください。
高校生の頃は防衛大学校に進学して自衛隊に入りたいと思っていました。いろいろあって自衛隊の道は断念して、別の大学の法学部に進学したのですが、「目標を持って4年間過ごしたい」という思いは変わりませんでした。どうせなら高い目標にしようと思い、司法試験合格を目指そうと決めました。
学生時代は薬害関連の裁判を支援するサークルに所属していました。とても小規模なサークルでしたが、裁判の傍聴に行くなどして、学生の立場から支援に携われたことはすごく勉強になりました。
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
事務所としては、離婚、相続、労働、刑事といった分野を扱っています。私もこれらの案件を手がけていますが、他の弁護士と少し違っている点としては、企業法務と、顧問先からの相談をメインに担当していることです。
顧問先は現在20〜30社ほどで、それぞれの会社の労務管理や債権回収、従業員向けの法律相談や研修の講師などをおこなっています。
企業関連の仕事を手がけるようになったのは、牛肉の産地偽装の事件に携わったことがきっかけです。地元にある大きな企業が経営するしゃぶしゃぶ店で、銘柄を偽装した牛肉を客に提供していたことが問題となりました。
これを受けて第三者委員会が設置され、事務所の先輩弁護士が加入した縁で私も補助者として調査に携わりました。それ以来、会社の不祥事など、企業関連の案件に多く携わるようになりました。
依頼者にとって不都合なことから目を背けない
ーー企業関連の案件を手がけるうえで心がけていることを教えてください。
3つあります。
1つ目は、依頼者にとって不都合で、できれば向き合いたくないと思うような、核心的な部分から逃げないことです。企業の経営陣からすると、あまり明らかにしたくない、外から触れられたくない部分かもしれませんが、そこに踏み込まない限り、根本的な解決はできないと思っています。
2つ目は、依頼者が感じている不安に向き合うことです。何か問題が生じたときに、「処分されるのではないか」「会社の中での立場を無くしてしまうかもしれない」といった不安が生じるのは当然だと思います。そうした不安を絶対に無視せず、ケアをすることを心がけています。
3つ目は、法律の専門家として「やってはいけないこと」「できないこと」については、その旨をはっきり伝えることです。違法なことを勧めるわけにはいかないので。ただし、弁護士にそう言われると依頼者の気持ちも落ちてしまうので、安易に「できない」とは言わないようにしています。言うからにはきちんと、本当にできないかどうかを突き詰めて考え、調査して、そのうえでお伝えすることが重要だと思っています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えてください。
まだ新人だった頃に、先輩弁護士から、地方自治体を相手にした裁判を引き継いだことがありました。依頼者は、大雨で陥没した道路にはまって車が壊れたと主張し、自治体に対して損害賠償を求めていました。新人の自分にはかなり荷が重く、途方に暮れながらも一生懸命対応したことを覚えています。
道路に穴が開いたのが事故発生の5分くらい前で、「5分前に開いた穴を自治体が直すのはさすがに無理でしょう」ということで、形勢不利な状況でした。あるときふと、穴が開いたところのアスファルトの色の濃淡が気になり、県の担当者に対する尋問の中で質問してみたんです。するとそこから、道路の管理が雑で、過去に何度も陥没事故が起きていたという事実が明らかになり、逆転勝訴できました。
このときの経験で、最後まで諦めずに突き詰めれば状況が変わることもあると知りました。同時に、事前にしっかり記録を読み込んでおけば、ここまで不安にならなかったかもしれないとも思いました。弁護士の頑張り次第で依頼者の人生が左右されることを実感した案件として、非常に印象に残っています。
もう1つ印象に残っているのは、勤務していた大学から、65歳での再雇用を拒否された方の案件です。依頼者は大学教授で、ごく軽い懲戒処分を受けたことを理由に定年後の再雇用を受けられませんでした。
当初は話し合いで穏便に解決することを目指していました。しかし、事案が複雑で話合いが難航したため、大学に対し、教授としての地位を確認する裁判を起こすことになりました。出口が見えない中で2年ほど頑張り、依頼者と一緒にうどんを食べに行ったこともあります。そのときはかえって私の方が、依頼者に慰められました。時間はかかりましたが、最終的には、徹夜で書いた書面で立てた理屈が判決に採用される形で勝訴できました。
弁護士の努力が事件解決に非常に影響していることと、依頼者と二人三脚で頑張っていくことの大切さを身をもって知った事案です。
トラブルの芽を摘む「紛争予防」にも力を入れたい
ーー休日の過ごし方を教えてください。
非常に地味な過ごし方です(笑)。歴史が好きなので、コロナ前はよく、電車に乗って史跡を見に行っていました。関ヶ原の合戦場など、愛知県内には歴史的な名所がたくさんあるんです。
読書して過ごすことも好きです。最近は仕事が忙しくてなかなか時間が取れず、積読状態の本が多いのですが…。歴史に関する本や、仕事柄、精神的に極限状態に置かれた方々と接することが多いので、行動経済学や戦史絡みの本を読むこともあります。
ーー今後の展望を教えてください。
引き続き、弁護士としてのスキルを磨いて、様々なトラブルを解決していきたいと思っています。
これまで、トラブルの予防や早い段階での対処をしなかったばかりに、損害が拡大してしまうケースを多く見てきました。重大なトラブルに発展すれば、解決のためには弁護士費用がかさみますし、場合によっては損害賠償責任を負うなど大きな犠牲を払うことになる可能性があります。
こうした事態を防ぐために、少しでも早い段階でトラブルの芽をつぶす、紛争予防にも力を入れたいと思っています。
具体的には、対企業であれば、従業員の方への啓発や研修などを通じて、トラブルに至らない仕組みを作るお手伝いを。個人の方であれば、相続が発生してから遺産分割の話合いをするのではなく、遺言書を作っておいたり、さらに心配であれば任意後見や民事信託も併せておこなうといったサポートができればと考えています。
ーー現在、事務所の共同代表を務めています。経営についてはどのように考えていますか。
もちろん、事務所も発展させたいです。規模だけではなく、提供するサービスの面でも進化させていくことが求められていると思います。紛争に至る前に手を打てるように。もっと依頼者に寄り添えるように。メンバーと協力しながら、よりよい事務所を築いていきたいです。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
弁護士ドットコムにアクセスされる方は、なかなか人に言いづらい、どう表現していいかもわからない悩みを抱えている方がたくさんいらっしゃると思います。弁護士に対して、「こんなことを相談していいのか」「怒られるのではないか」と思って、相談をためらっている方もいるかもしれません。
こちらとしても、相談にいらした方と同じ目線に立って、どんな不安を抱えているのかを考えながらお話をお聞きします。安心して悩みを打ち明けていただければと思っています。まずは一度、お気軽にご相談・お問い合わせください。