「家の周りの雑草を何とかしなさい!!」。こんな書き出しで始まる匿名の手紙がポストに入っていたというつぶやきが、ツイッターで話題となった。
つぶやいた男性によると、手紙の内容は「庭のタンポポの種が飛んで困るからきれいにしてほしい」という内容だった。添付された手紙の写真には、「お宅の家のまわりの雑草が種を飛ばして、どれだけ近所が迷惑してるかわからんのか!!」、「周り中に種を飛ばして、タンポポだらけだ!!」といった言葉が並んでいた。
男性はその夜のうちに雑草を綺麗に片付けたそうだが、タンポポの種が周囲に迷惑をかけるという理由で、雑草を処理する義務はあるのか。タンポポが生えているのが自宅敷地外だった場合はどうなのか。足立敬太弁護士に聞いた。
●タンポポ放置、ひどい場合には損害賠償など法的な責任も
自宅の庭をどのように使用するかは、土地の所有者や管理者が決めることです。タンポポが好きでタンポポをたくさん生育させたいと思えば自由に育てることができますし、他人がタンポポの生育を止めろという筋合いはありません。
しかし、タンポポは種になった後、風に吹かれて飛ぶので、庭以外の場所、つまり他人の土地に飛んでいくことになります。また、タンポポは深く根を張るので処理が大変で迷惑に思う人もいると思います。
自宅の庭以外の場所にタンポポの種子が飛ぶのを漫然と放置することは、相手の受忍すべき限度を超えるなど度を超してひどい場合には他人の権利を侵害したとして損害賠償など法的な責任が生じる余地があると思います。
●敷地外であれば、タンポポを処理する義務はない
家人がタンポポの管理に責任を負うのはあくまで敷地内に生育したタンポポです。敷地外の土地に生育したタンポポの管理は、その部分の土地の所有者・管理者が行うことです。家の敷地の前の公道であっても、自己の所有・管理する敷地外ですからタンポポの処理をする義務はないと考えます。