小沢 一仁 弁護士
相談を受けたときに、私は遺産の詳細どころか遺言書の内容すら確認させない親族の態度は疑わしい。遺産を隠しているのではないかと考えました。 そこで、依頼者に対し、相続人として遺言書の内容を確認することは当然であり、念のために確認を申し出ることは何ら失礼に当たらない。いきなり弁護士が介入すると、親族間の関係が悪くなる可能性があるので、やんわりと遺言書の内容を確認させてほしいと求めてみてはどうかとアドバイスしました。 すると、相手方は遺言書の写しを依頼者に送ってきました。内容を確認すると、確かに依頼者には500万円を相続させるという文言が記載されていました。また、遺言書にはその他に、残りの遺産はすべて相手方に相続させること、遺言執行者としてAを選任することが定められてました。 私は、従前の相手方の態度からすると、依頼者に相続させる500万円以外にも相当な金額の遺産があるのではないかと考えました。そこで、まずは遺言執行者Aに連絡を取って、財産目録を開示するよう求める方針で、私が介入することを提案しました。 Aに対する通知書には、遺言執行者には、相続発生後、遺産目録を作成する義務があること、その他遺言執行者としての業務を行うに際し、善良な管理者としての注意義務が存在すること、正確な内容の財産目録を作成・開示しなかったことで、依頼者に損害が生じたときは、遺言執行者に損害賠償責任が生じる可能性があることを記載しました。 するとその後、Aが遺産目録を作成し、私宛に送ってきました。内容を確認すると、被相続人の遺産が2億円以上存在することが明らかになりました。なお、この場合の依頼者の遺留分は、約5500万円です。 私は直ちに相手方とAに、上記5500万円を依頼者に対して支払うよう請求しました。すると、相手方は弁護士を通じて5500万円を支払うと回答してきました。 結局、受任から3か月ほどで依頼者は本来より約5000万円増額された金額の支払いを受けることができました。
調査の結果、遺言書の内容が依頼者の遺留分を侵害していることが判明し、遺言書に定められた金額よりも約5000万円が上積みされた金額の支払いを受けることができた事例の
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