
依頼者それぞれの事情に寄り添い、ともに考え、ともに歩む
「法や制度と、人々のかけ橋になるような仕事をしたい」
ーーどんな学生時代を過ごしたのでしょうか。
小さなころから自然や環境問題に関心があり、大学と大学院では動物生態学を専攻し、理学修士の学位を取得しました。
自然に生息する動物の生態を研究していましたので、主に山野や離れ小島にテントを持ち込み、観察や採集を行い、研究室に持ち帰る日々でした。一般社会とは隔絶した環境にいたとも言えます。
しかし、地道な作業の積み重ねでデータや証拠を集め、それをもとに物事の結論を出すという過程は、法律家としての日々の仕事とも共通していますので、学生時代の経験は今に生きていると思います。
ーー大学院までは理系だったのですね。いつ弁護士を目指そうと考えたのでしょうか。
環境問題や生態系の保護という問題は、自然と人間の活動との関わり、折合いという問題でもあります。そうした考えから、環境行政に関心を持つようになり、大学院を卒業した後は、地方自治体の職員となりました。
入庁後配属されたのは、畑違いの税務課でしたが、税務職員としての仕事は日々勉強や発見が多く、とても有意義でした。そこで、多くの住民の方のお話を聞き、税制についての説明や相談を受けるうち、知っていれば使える制度や規定があっても、知らないためにその恩恵を受けられないでいたケースがとても多いことに気づきました。
法や制度はあるだけでは意味がなく、それを必要とする方にどうつなぐか、これが大変重要だと考えるようになりました。そこで、法や制度と、人々のかけ橋になるような仕事をしたいと思い、弁護士を目指すことにしました。
「依頼者それぞれの事情に寄り添って、ともに考え、ともに歩む」
ーー注力している分野について教えてください。
一般の方々の日々の困りごとに関わってきましたので、自然と、離婚や相続と言った家族問題の実績が多くなっています。こうした家族に関する問題は、当事者にとっては日々感じるストレスも大きいので、当事務所としてもこれから引き続き注力していきたいと思います。また、最近は、ネット上での書き込みに関わる被害の相談や、中小企業の法務についての問い合わせも増えていますので、こうした分野にも注力したいと思います。
ーー相談者・依頼者と接するときに心がけていることはありますか。
当事者の方の置かれた立場やお気持ちを大事にし、その方にあった解決の方法を考え、進めていくことを最も大切にしています。同じ案件であっても、何を大事にし、優先するかは、皆さんお一人お一人違います。
法律の視点からの意見や選択肢が、背景に様々な事情のある当事者お一人お一人の問題解決の方法として、最適とは限りません。その方の事情に寄り添って、ともに考え、ともに歩むことを心がけています。
ーー印象に残っている事件はありますか。
少年事件において、担当した少年が、短い期間でものすごく更生してくれたことがありました。会うたびに、見違えるほどの変わりようでした。少年審判の担当裁判官も「期待以上に更正してくれた」と言っていたほどです。人間の持つ可能性に触れたという点で、印象的な事件でした。
「これまで以上に、悩み事・困りごとの解決に寄り添えう事務所に」
ーー休日はどのように過ごしていますか。
趣味が園芸なので、休日は育てている花や野菜の世話、草狩りをして過ごすことが多いです。土や植物に触れていると、時間がたつのがとても速く感じます。
初めはカチカチでコケしか生えていなかった場所に、堆肥やもみ殻、米ぬか等を入れて耕し、植物を植えることを繰り返すうち、みるみる土が変わっていきます。3年も経てば、前とは比べ物にならないくらいフカフカで、ミミズがたくさん住む土に変わります。
土が変わると様々な植物が育ち、虫も、鳥もやってくるようになります。土づくりは、時間と手間のかかる地道な作業ですが、園芸では一番大切な部分です。何事も基礎、基本となる部分をしっかり行うことが重要という点では、法律家の仕事とも共通していると思います。
ーー今後の展望があればお聞かせください。
様々な分野にアンテナを張りながら、これまで以上に、一般の方々の悩み事、困りごとの解決に寄り添える、話しやすい事務所として、地域のお役に立っていきたいと思います。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
悩んでいることがおありでしたら、そのお話を、ぜひ聞かせてください。あなたに一番合った解決があるはずです。解決への道を見つけて、一緒に進んでいきましょう。