木下 康代 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学卒業後、司法書士の補助者として事務の仕事をしていました。その勤務先には60代の女性の先生がいらっしゃいました。その方は、子育てをしながら司法書士の資格を取得された後、お子さんが大きくなって落ち着いてから勤務を始め、独立されたという経歴をお持ちでした。
補助者としてその方の仕事を傍で見るうちに、女性が出産や子育てのタイミングに合わせて、上手く仕事を続ける為には、資格を持つことが重要だと強く感じるようになったのが弁護士を目指したきっかけです。
また、同じく補助者時代に、法的知識があれば事前に避けられたであろう事件を目にしたことで、そういった方の力になりたいと思ったこともひとつの要因でした。
今までの経験と現在の仕事内容
一般民事(交通事故、損害賠償請求等)、多重債務(任意整理、破産、小規模個人再生)、家事事件(離婚、相続等)、刑事事件、少年事件、行政事件、労働事件などを取り扱っています。今までは多重債務、少年事件が多かったのですが、最近は離婚事件が多いです。
中でも、少年事件に関しては、今までに担当した一件一件が印象に残っています。少年事件の場合、家庭裁判所に身柄が送致され、観護措置(鑑別所での身柄拘束)がなされてから審判(刑事事件でいう裁判)になるまでたった4週間しかありません。
また、拘束され、突然普段の生活から遮断されてしまった少年たちにとって、この期間はとても精神が不安定になる期間でもあります。少年たちの中には周りの大人を信じられなくなっている子もいます。たった4週間で、事件解決に向けての調整をしつつ、少年たちに寄り添うという面ではとても大変な分野です。
親や学校の関係者、そして弁護士である自分が真剣に取り組んでいる姿勢を少年たちに見せる事で、「自分のためにこれだけの大人が動いている」ということを伝え、少しでも大人に対する信頼を取り戻せたらと思っています。
弁護士としての信条・ポリシー
できるだけ、依頼者の方の話を聞くということを意識しています。裁判に勝つことももちろん重要ですが、それ以前に、ご本人が納得される形での紛争解決とは何か、ということが大切だと思いますし、その為には依頼者の方の話をきちんと聞く必要があります。
依頼者の方の中には「とにかく話を聞いてほしい」と思っていらっしゃる一方で、話したいことがありすぎて、何から話したらいいかわからなくなってしまう方が多くいらっしゃいます。そんな方に「事件のポイントとなる部分だけ話してください」と言うのは、適切ではありません。
順序や重要度に拘らず、まずは依頼者の方が話したいと思われることをある程度お話して頂いて、それからタイミングを見て、こちらからどうしても聞いておきたいポイントをお聞きするようにしています。相談という限られた時間の中で十分にお話し頂くために、話しやすい雰囲気を作ることも心がけています。
関心のある分野
子どもの権利・問題について関心があります。広い視点では子供に対する法教育を進めて行くこと、事件としては先ほどお話しした、少年事件や離婚事件がストレートに関係してくると思います。
現在、滋賀弁護士会の法教育委員会では、主に中高生に対して法律にまつわる授業を行っています。また、「ジュニアロースクール」という形で、裁判を見に行ったり、あるお題について皆で話し合ったりする経験を学生のうちからできるような企画も考えています。
「法教育」と言っても、法律の知識を教えるわけではありません。皆で議論をすることの大切さや、皆で共通のルールをつくっていく為の思考過程を知ってほしいのです。これは、社会生活全般に必要となってくる考え方だと思います。
また、労働事件や消費者問題なども気になる分野のひとつです。さまざまな分野に興味がありますし、扱う事件も多岐にわたっていますが、どれも「市民の方が、普通に生活する中で巻き込まれてしまう事件を解決して差し上げたい」という面では共通していると思います。
ページを見ている方へのメッセージ
困ったことがあったら、まずは気軽に弁護士に相談してみて下さい。「弁護士=訴訟」ではありません。訴訟になることを恐れて相談しにくいと感じておられる方や、裁判所からの通知が来てから慌てて相談に来られる方が多くいらっしゃるのですが、多くの場合、早めに相談に来て頂ければ来て頂くだけ、解決手段の選択肢が増えます。