河内 智子 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
この手の質問は、修習生や学生にもよくされるのですが、正直いつも返答に困ります。小学校高学年の頃には、弁護士になると決めていましたが、一旦決めたらよく考えずに突っ走るタイプなので(笑)、志望した動機はよくわかりません。
改めて考えてみると、両親がサスペンスドラマが好きで、よく見ていたのですが、そこで見た女性弁護士がかっこよかったことと、犯罪を犯す人間の心理や事件の推理に興味があったことが、きっかけだったような気もします。女性として一生働き続けたいと思っており、そのためにはなにか資格が必要だ、とも考えていました。
今までの経験と現在の仕事内容
大学卒業後、司法試験の勉強を続けながら、法律事務所の事務員として働いていました。司法試験合格後、弁護士になってからは、民事(交通事故・損害賠償)、家事(離婚・遺産分割)、刑事(主に国選)、少年事件、裁判所から選任される破産管財人や成年後見人など、いろいろな仕事をしてきましたが、企業ではなく一般市民対象の事件が多いです。そこは東京とは大きく違うところだと思います。
事件の受任ツールが、主として市役所や弁護士会の法律相談や弁護士会・法テラスの名簿による配点であり、種々雑多な事件があります。だからといって、ある分野に特化しても、それほど各分野の事件数が多い訳ではないので、分野を特定することは困難です。
現在も、いろいろな仕事をしています。常時30件から40件の事件を同時に抱えている他、埼玉県(児童福祉審議会・精神医療審査会)や越谷市(情報公開・個人情報保護審議会)の審議会の委員を委嘱されています。
印象に残っている案件(事件)
一番最初に扱った少年事件だったのですが、少女が、父親からの性的虐待によりにできた子供を出産直後遺棄してしまったという事件です。犯罪を犯した少女の処分云々というより、父親のもとから引き離すことが優先された、特殊な事件だったため、強く印象に残っています。
仕事をする上で意識していること(弁護士としての信条・ポリシー)
一旦引き受けた以上は、採算を度外視して、丁寧に事件処理をすることを心がけています。経済的にペイしない(=もうけにならない)事件だからといって、手を抜くと、結局、依頼者に信頼されず、事情聴取に時間がかかって、ますますペイしない仕事になってしまいます。
だからといって、勝ちすぎないこと、も心がけています。もっとも、性格上手を抜くことができない、と言った方が正しいのかも知れません。
また基本的にはけんかするのが商売だと言われるのですが、相手の立場にも配慮した事件処理を常に心がけています。
特に関心のある分野
児童虐待と少年非行事件です。
児童虐待に興味をもったきっかけは、前述した最初の少年事件でした。現在児童福祉審議会においても虐待問題を扱っていますが、性的虐待が多いことに驚いています。
少年の非行というのは、得てして親からの虐待と密接に関わり合っていることが多いのですが、その親への働きかけをどう行っていくかが、難しいところだと感じています。虐待があるにせよ、子供とも親とも、しっかりと話し合える関係性を築くのが、まず必要なことだと考えています。
ページを見ている方へのメッセージ
一般の方へは、どんなことでも気軽に相談してもらいたい、というのが願いです。全ての問題を解決に導けるわけではないかも知れませんが、何らかの力にはなることができます。相談を躊躇している間に、どんどん問題がややこしくなってしまうというケースが非常に多いです。ぜひ弁護士に相談をしてみてください。
(2012年11月28日インタビュー実施)