山本 達夫 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
私は長野の大学出身なのですが、大学生の時に松本サリン事件がありました。1人の男性が疑われ、全国的に彼が犯人だろうと疑われる中、1人の弁護士がその人を信じて活動を続けていました。
もちろん事件は怖かったですが、その先生の姿を見たことがきっかけです。もともとは経済学部でしたが、その事件をきっかけに法律に興味を持ち始め、裁判所に就職しました、そこで勉強をし、弁護士になったんです。
印象に残っている事例
私の事務所は船関係の事件を多く扱っているのですが、その中でも種子島沖で止まっていた漁船に貨物船が衝突し、漁船は真っ二つになり、貨物船は衝突に気付かずそのまま行ってしまう事件がありました。衝突から3日後、人命救助が可能な72時間ぎりぎりのところで乗組員3人は救助されたんです。
私は漁船側の弁護をしたのですが、日本の裁判上、慰謝料は怪我の慰謝料や後遺症の慰謝料のみしか原則として認められません。ですから精神面(死の恐怖を味わったこと)への慰謝料はハードルが高かったんですが、判決で精神面への慰謝料が認められたんです。それが印象的でしたね。
仕事の中で嬉しかったこと
やはり事件の後に依頼者の方から感謝の言葉をいただいた時ですね。印象に残った事件として話した衝突事件の漁船はマグロ漁船だったんですが、そこに乗っていた人たちがみんな今もそれぞれの仕事を続けていてくれていることも嬉しいことです。
大変だと感じること
なんといっても時間がないことです。本当はもっと勉強して幅広い知識を得たいんですが、なかなか難しいです。
休日の過ごし方
仕事をしていることもありますが、家族(子供)と過ごすことも多いですね。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の方と共に笑ったり、怒ったりすることです。あくまでも依頼者の代弁者なので、依頼者の立場に立って仕事をするわけです。特に船舶の衝突の損害賠償も多いですから、怖さや怒りなどの感情の共有は大切ですね。
依頼者に対して気を付けていること
弁護士である私にとっては何十件のうちの一つの事件かもしれませんが、依頼者にとっては人生を左右する重要な局面ですから、連絡を密に取ることを心がけています。依頼者と弁護士である私にとっての時間の流れが違うからこそ、気を付けていることです。
関心のある分野
刑事弁護や海事に関心を持っています。もともと裁判所で働いていた時は刑事事件を主に担当していました。特に最高裁には全国の刑事事件が集まります。そこでおかしいなと思う事件をみたりしているうちに刑事弁護に興味を持ちました。
今後の弁護士業界の動向
人が増えていくので、ある程度は専門化していくでしょう。そうなると、依頼者の選択の幅も広がります。大学で学ぶことは机の上の知識ですから、やはり実際の事件で学んで行くことの方が大きいですよ。
今後のビジョン
今ある、一件一件に対して親身になって向き合っていきたいと思っています。海事弁護士事務所でも漁船関係の案件を主で扱っている所は少ないですから、そこに力を入れていきたいです。