物腰柔らかな雰囲気と交渉力が強み〜女性弁護士ならではの視点と感性を活かして離婚問題に注力
「人を助けられる人間に」
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
10歳まで海外生活で、帰国してから言葉や文化の違いに困惑することもあったのですが、そんな私に、学校の先生やクラスメイト、近所の人たちがとても親切に接してくれました。そうした周囲の優しさに触れて、「私も人を助けられる人間になりたい」と思ったことが、弁護士を目指した原点だと思います。
高校生になって進路について考えたとき「人助けができる仕事」として最初に浮かんだのは医者だったのですが、「弁護士は社会のトラブルを治療する医者」という言葉を耳にして、「弁護士になれば、医者のように人助けができる」と知り、法学部に進学して弁護士を目指すことを決意しました。
ーー学生時代はどのように過ごしていましたか。
大学生の頃は塾の講師をしていました。講師1人に対して生徒が2人という特殊な形態の塾で、高校生と小学生を同時に教えることもありました。
高校生と小学生とでは、授業の内容も違えば、教え方も変えなければなりません。素早い思考の切り替えや臨機応変に対応する力、わかりやすく伝える方法など、講師の仕事を通じて学んだことは、弁護士になってからも活きていると思います。
過去ではなく未来に目を向けた問題解決
ーー現在の事務所開設までの経緯をお聞かせください。
弁護士になった当初から「いずれは独立したい」と考えていました。当初は勤務弁護士として働いていたのですが、「私のことを頼ってくれる依頼者に、自分の力で役に立ちたい」という思いが強くなり、独立を決意しました。
よく美容室に行くと、カウンセリングとカットとカラーリングをそれぞれ別のスタッフが担当して、スタッフが変わるたびに希望のスタイリングを聞かれることがあるんです。客側からしたら「さっき言ったのに」という気持ちになりますよね。
最初から最後まで自分の手で行うことで、依頼者を不安にさせることなく、要望に答える。自分の事務所を開設したことで、それが実現できているように思います。
ーー注力分野を教えてください。
離婚・男女問題に注力しています。女性弁護士を希望する相談者が一定数いることが、離婚分野の特徴だと思います。他の分野では、そのようなことは少ないのではないでしょうか。また、女性ならではの視点や感性が活きる分野だと思っています。
女性弁護士を希望する相談者は女性だけに限らず、男性にも多いです。女性の場合は、同性の方が話しやすいと考える方が多く、男性の場合は「女性弁護士の方が妻が交渉に応じやすいのではないか」と考える方が多いようです。また、「自分の何が悪かったのか」「妻はどう思っているのか」など、女性の意見を聞きたいという男性も多いです。
ーー離婚問題を扱う際に意識していることはありますか。
関係が悪化して、争いが長期化しないように心がけています。特に子どもがいる家庭は離婚後も関係が続いていきますので、早期円満解決を目指しています。そのためには交渉力が重要だと感じています。相手が男性でも女性でも、柔らかな物腰で接し、共感を示しながら交渉するように意識しています。
また、過去よりも未来に目を向けることが大事だと思っています。不倫の慰謝料請求する場合など「どちらに非があるか」にこだわることが重要なケースもありますが、円満解決を目指す場合はノイズになることがあります。
考え方や感じ方は人それぞれですから、一つの事実に対して夫と妻とで捉え方が違うのは仕方のないことです。過去の出来事ばかりに目を向けて争っていては前に進めません。「どうやって子どもを育てていくか」など、未来に目を向けてもらうことが、依頼者にとっても相手方にとっても大切ではないかと考えています。
ーー仕事をする上で心がけていることはありますか。
依頼者の気持ちを考え、理解することが何よりも大切だと思っています。いまの時代は質問をしたらAIがすぐに答えてくれます。法律や過去の判例から情報を引き出して答えるだけなら、人間である必要はありません。
すぐにイエスかノーで答えるのではなく、依頼者が本当に望んでいることは何かを考えたり、法律という枠組みの中で依頼者のためにできることがないか熟慮を重ね、真の希望を叶えられるように努めています。
「起業家のために弁護士ができることがあるはず」
ーー趣味や休日の過ごし方を教えてください。
文房具を集めるのが趣味です。文房具を好きになったのは、司法試験受験生のときでした。司法試験には論文があるため、文字を書くことが多いんです。用紙100枚以上書くこともありました。そうすると、手が疲れないペンとか、少しでも字がきれいに見えるペンを探すようになるんです。学生たちの間で「どのメーカーのペンが優秀か」という議論が起こるほどでした(笑)。
そのときから文房具に興味を持つようになり、いまは「女子文具博」というイベントに参加して文房具メーカーの人の話を聞いたり、気に入った文房具を買い揃えたりしています。
ほかには、野球観戦が好きです。高校が智弁和歌山という野球の強い学校で、野球部の応援は学校行事のようなものでしたから、学生時代からよく観戦していました。いまでも時間があるときは高校野球やプロ野球を観戦しています。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
離婚・男女問題のほかに、前の事務所で扱っていた不動産関係の相談も多いので、この二つを柱として、今後も頼りにしてくださる依頼者のために尽力したいと思っています。
また、スタートアップ企業のサポートにも力を入れたいと考えています。独立開業してから、若い起業家からの相談を受ける機会が増えました。
「大手や企業法務専門の事務所よりも、若い弁護士の個人事務所のほうが柔軟に対応してくれそうだから」という理由で、当事務所に相談に来る方が多いです。新しく会社を始める人にとっては、弁護士との契約や費用も、不安要素の一つなんですね。
アメリカにはスタートアップ企業のフォローを専門にしている弁護士が大勢いるそうですが、日本は起業家の数が少なく、起業家をサポートする弁護士も多いとは言えません。起業家のために弁護士ができることはもっとあるのではないかと思います。
私も個人事業主ですから、起業家の不安や悩みは共感できますし、これから始まる新しいことに協力できるという喜びも感じます。若い起業家の不安を解消し、少しでも力になれるよう研鑽を積みたいと思っています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えている方に向けてメッセージをお願いします。
自分が思っている以上に問題が深刻という場合もありますので、「こんなこと相談してもいいのかな」と心配せずに、気軽に相談してください。
病気と同じように「我慢できるから」と問題の本質から目を逸らしていると、事態は悪化していきます。実際、事務所に相談に来た人の中には、「もっと早く相談してくれれば救えたのに」という事案もあります。
すぐに解決できない問題だとしても、相談してもらえれば解決の道を示すことができますし、それによって不安は軽くなると思います。悩みや苦しみを抱えていたら、すぐにご相談ください。