依頼者のことを思えばこそ、甘いことは言わない〜依頼者と本音で接し、覚悟を持って事件に取り組む
あえて厳しいことも嘘偽りなく伝える
ーー仕事をする上で心がけていることはありますか?
依頼者に甘いことは言わないようにしています。事務所のホームページにも書いていますが、「電話一本だけで、お手軽に、弁護士になんとかしてほしい」とお考えの方は、他の事務所を当たった方がいいと思っています。
依頼者の中には、「誰かが簡単に助けてくれる、解決してくれる」と考えている方もいます。ですが、本人が本気で戦う気持ちを持っていないと、どこかで気持ちが折れてしまいます。
戦うならとことん戦わなければいけません。そのために、こちらも全力を尽くします。解決には当然手間もかかるし、依頼者本人も力を尽くさなければ、結果はついてこないと思っています。ですから、あえて厳しいことも嘘偽りなく表明するようにしています。
相談者には最初に事務所のポリシーが書かれた紙をお見せしているんです。「私たちは甘いことは言いません」「あなたにとって、デメリットやリスクになることを含めてお話します」「だから辛口の意見を申し上げます」という内容です。
「あなたのことが嫌いなのではなく、辛口の意見も踏まえた上で行動することこそが、あなたのためになると思っている」と、ポリシーとしてあらかじめお伝えしています。
ーー相談者と話をするときに工夫されていることはありますか?
説明をするときはフローチャートのような図を書きながら、今後の可能性などをなるべくわかりやすく伝えるようにしています。また、話を聞くときは、こちらから質問をしていきます。
テンポよく質問をしていって、足りないことなどあれば、最後に言っていただくようにしています。私の方で必要と思える情報をまず抜き出して、その中で何ができるのかを構成して、説明していくという相談スタイルです。
「打たれて折れても、立ち直るしぶとさを持って」
ーー相談内容はどのようなものが多いのでしょうか?
様々な相談がきますが、中でも私が得意としている分野は、離婚や債権回収ですね。債権回収に関しては、動産執行までやる弁護士はあまりいないのではないかと思います。「借りたお金は返す」「約束はちゃんと守らないといけない」というのが私のポリシーなんですね。
ーー弁護士をされていて印象的だったエピソードを教えてください。
明らかに負け筋の離婚事件を引き受けたときのことです。証拠がまったくない不利な状況ながら、尋問で相手方にとって都合の悪いことをついて、こちらの主張を認めさせることができました。離婚事件にはDVや浮気など、いろいろあります。離婚しようとする夫婦にまったく問題がないわけありませんからね。証拠がなくても、尋問を工夫して、うまく駆け引きして、依頼者の利益を守ることができたので印象に残っています。
ーー弁護士にとって大事なものはなんだと思いますか?
根性かな(笑)。交渉相手や裁判所はもちろん、依頼者と渡りあう上でも、弱かったらダメですからね。シビアな仕事なので、勉強ができるだけの人がやっていける仕事じゃないと思います。
私も挫折の日々ですよ。打たれて折れて、立ち直って、また打たれて…。弁護士の仕事を続けるには、往生際の悪さとか、しぶとさが必要ですね。
「曲がったことは嫌い」ではなく「曲がっているものは曲がっている」と伝えたい
ーーご自分の性格を一言で表すとどういうタイプですか?
綺麗事が言えないタイプですね。「曲がったことが嫌い」とは違うんです。むしろ「世の中は曲がっている」と思う。世の中、必ずしも綺麗事だけじゃないと伝えたいから、曲がっているものは曲がっていると正直に話すんです。
よく、見た目の印象から「冷たそう」とか「鉄の女」っていうイメージを持たれるんです。でも、実際に会った人からは、イメージと違って人懐こいとか、気さくだって言われます。本音で話すからか、依頼者とは仲良くなることが多いですよ。みなさん、差し入れと言って手土産を持ってきてくれたりします。
ーー休日はどのように過ごされていますか?
一日中寝てます(笑)。週に1日は休むようにしているんですけど、寝てるか、アニメを観ているかですね。アニメは誰もが知ってる作品よりマニアックな作品が好きで、動画配信サービスを利用しています。
旅行も好きで、コロナが流行する前は年に1〜2回は海外旅行をしていました。これまで行った国の中では、タイが好きですね。遺跡など歴史と文化を感じさせてくれる一方で、街には熱気があって猥雑なところが好きです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へ、先生からメッセージをお願いします。
「お気軽にご相談ください」と言う弁護士もいると思いますが、私があえて申し上げたいのは、電話一本で解決すると思わないでくださいということです。本当に自分の悩みと向き合う覚悟があるなら、しっかり手間と時間をかけて欲しいです。
電話一本で解決する悩みなら、それは相応の悩みだと思います。深刻な悩みなら、それなりの覚悟を持たなければいけないと思います。覚悟を持って依頼される方には、私も覚悟と熱意を持って対応させていただきます。