藤本 一郎 弁護士
【後遺障害等級】 この事案において、被害者は、『脊髄損傷』によって四肢麻痺という重篤な後遺障害を負ったため、別表第一第1級1号と認定されました。【裁判】 自賠責保険によって後遺障害等級が認定された後、訴訟を提起しました。 訴訟における争点は、多岐にわたりましたが、主な争点は、以下の通りでした。1 被害者にとって適切な生活の場所 被害者は、四肢麻痺の状態になったため、自分でできることはほぼなく、日常生活のあらゆることに介護が必要な状態になりました。 また、本来、呼吸は、横隔膜と胸郭筋を使って行われます。しかし、脊髄損傷によって胸郭筋が麻痺していたため、深い呼吸ができなくなっていました。 訴訟を提起する時点で、被害者は、既に病院を退院し、自宅での生活を続けていました。しかし、保険会社は、 ・ 症状が重篤であるため、感染症にかかる危険があること ・ 十分な介護を受ける必要があることなどを根拠にして、自宅での生活は適切ではなく、病院や施設で生活させるべきだと主張してきました。保険会社の主張は、病院や施設で生活することを前提にすれば、将来介護費として認められる金額が少なくなると見込んでなされました。 かかる主張に対する反論として、 ・ 本人が自宅での生活を強く望んでいること ・ 結審までの間に、2年以上も自宅での生活が継続していること ・ 自宅でも十分な介護態勢が整えられていること ・ 近親者の努力もあって、被害者の症状は安定していること ・ 現実に入所できる施設を見つけることが困難であることなどを主張しました。 その結果、裁判所は、現状の通り、自宅での生活を続けさせることを前提として、将来介護費などの認定をしてくれました。2 将来介護費 被害者は、重篤な後遺障害を負ったため、全ての日常生活において介護が必要な状態になっていました。 近親者だけでは、どんなに頑張っても全ての介護を担うことは難しく、もし全ての介護を近親者だけで行おうとすれば、近親者に過度の負担が集中し、短期間で介護を継続できなくなることが見込まれました。 このため、被害者は、可能な範囲で職業介護人による介護サービスを利用していました。 この様な事情を主張した結果、日額1万8000円の将来介護費を認定してもらうことができました。 なお、将来介護費の外に、日額約1500円の将来雑費も認定されており、これらを合計すれば、日額2万円近い費用が認定されたことになります。3 過失割合 保険会社は、被害者に40%の過失があると主張しました。 当然、被害者は、ここまで大きな過失があると主張されることを承服できず、被害者の過失がより少ないと主張しました。 この結果、裁判所は、被害者の過失は25%であると認定しました。
【脊髄損傷】【訴訟】【過失割合】頚髄損傷(1級)の認定を受けた被害者について、将来的にも自宅での生活が続くことを前提として、高額な将来介護費が認められた事案の
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