依頼者のために「甘い見通しはしない」〜刑事事件に注力し「当たり前を丁寧に積み重ねる」
母の法的トラブルを知り、弁護士を目指す
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
弁護士になろうと思ったのは大学生の時です。高校一年生の時に父が他界したのですが、父の事業の後処理で母が法的トラブルに遭っていたことを、大学生になった時に母から知りました。
身近なところで法的トラブルが起きていたと知って、トラブルに巻き込まれた人に寄り添う仕事をしたいと思いました。弁護士は幅広い分野に関わることができ、多くの人の役に立てると考えて目指すことを決意しました。
ーー弁護士になられてからの注力分野についてお聞かせください。
事務所の強みでもある刑事事件、少年事件、そして個人事件として患者側の医療過誤に注力しています。刑事事件では、交通事故の加害者側の弁護を多く担当しました。少年事件では、少年が抱えている根本的な問題と向き合ってもらい、二度と同じ過ちを繰り返さないようしっかり更生するよう、心して取り組んでいます。医療過誤では、膨大なカルテの読込みと医学の知識の勉強が大変ですが、人の命が関わることなので、やりがいが大きいです。
ーー交通事故の事件を担当する時に気をつけていることはありますか?
他の事件も同様ですが、交通事故の加害者側の弁護人を担当する事件では、事実を丁寧に確認することが重要です。事件の記録は穴が開くくらい何度も読み返します。事故現場の状況や防犯カメラ映像等の客観的な証拠と照らし合わせて、検察官の主張に矛盾がないか検討します。
また、依頼者とのコミュニケーションも重要ですが、被害者の方への対応にも当然配慮が必要です。被害者の方に対して誠意をもって接し、謝罪の気持ちが伝わるようにしています。誠意を見せたからといって、被害者の方の気持ちが晴れるわけではないですが、出来る限り被害者の方のお気持ちを深く考えることを欠かさないようにしています。
言動のすべてが依頼者への思い
ーー弁護士として心掛けていることをお聞かせください。
依頼者に甘い見通しは伝えないようにしています。甘い見通しだけを伝えれば、受任できる件数は増えるかもしれません。ですが、結果が伴わなければ依頼者を失望させ、信頼を失うことになります。依頼者のためにも甘い見通しはせず、厳しいことであっても正確に伝えるようにしています。
また、悪い結果を報告するときほど、コミュニケーションを大切にしています。メールだけで済ますのではなく、できるだけ直接会ってお話をするようにしています。
ーー弁護士として活動される中で、特に印象に残っているエピソードをお聞かせください。
私が弁護士になって初めて刑事裁判を担当した事件が印象に残っています。
検察は執行猶予をつけない実刑判決を求めていました。量刑相場からしても実刑相当の事件でした。しかし、弁護した被告人は一部事実を否認していたので、真実を解明するためにも、必死に弁護活動に奔走しました。
事件記録を丁寧に検討し、何度も現場に足を運んで現場を確認し、聞き込み等も行いました。否認事件は検察が裁判所に提出する証拠が多くなるので大変ですが、依頼者の人生が掛かっているので、何度も何度も丁寧に確認する地道な作業を積み重ねました。
判決では、量刑相場よりも減刑することができ、無事執行猶予付きの判決となりました。依頼者の主張が認められ、少しは依頼者の人生の役に立てたかなと思い、ホッとしました。
ボクシングで培う「戦略、観察眼、体力」
ーー休日の過ごし方を教えてください。
午前中はボクシングで汗を流して、午後は家族や友人と過ごしています。ボクシングを始めたのは、大学生の時にダイエット目的でボクシングジムに行ったのがきっかけでした。試合形式の練習をすると恐怖心やプレッシャーを感じるんですけど、その瞬間に自分の「やる気スイッチ」が入る気がして好きなんです。
ーーボクシングと弁護士のお仕事に共通点はありますか。
ボクシングは頭を使うスポーツです。相手との距離や角度等、よく考えてパンチを出さないと全然相手に当たりませんし、相手をよく観察して攻撃しないと、タイミングを間違って逆に自分がパンチを貰います。苦しい時でも動かないといけないので体力も必要です。そういった戦略、観察眼、体力は弁護士としても必要な要素だと思います。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
当たり前のことを丁寧に積み重ねることが大事だと思っています。また、依頼者の要望をしっかり汲み取ることを大切にしたいです。表面的な問題だけではなく、根本的な問題も含めて解決できる弁護士になれるように、日々研鑽を積んでいきたいと考えています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
トラブルは放置していても解決しません。問題が大きくなる前に、少しでも疑問に思ったら、お気軽にご相談ください。何かお役に立てることがあると思います。