
どんな事件でも最善の結果に導けるよう尽力する「トラブルがこじれる前に、早めに、気軽に相談を」
分野を特定せず、幅広いトラブルに対応
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
子どもの頃から、父に「資格を持てる仕事に就いたほうがいい」とよく言われていて、選択肢の1つとして弁護士に興味を持ちました。
本格的に弁護士を目指したきっかけは、私が大学生の頃の出来事です。実家が外国人に家を貸していたのですが、その方と退去をめぐってトラブルになりました。自分たちで交渉することが難しかったので弁護士に依頼し、2か月くらいかかって解決しました。非常にありがたかったですね。
そのときに、「自分もこういう形で人を助けられたら」と思って、弁護士を志すようになりました。
ーーどのような学生生活でしたか。
大学に入って、はじめの1〜2年はサークル活動ばかりしていました。テニスサークルに入り、けっこう真面目に練習してましたね。3年生になってから勉強に本腰を入れました。
ーー注力している分野を教えてください。
特定の分野には注力していません。いろいろな相談が持ち込まれるので、「基本的には何でも引き受けますが、できないものもあります」というスタンスです。
案件として多いのは、交通事故と離婚・男女トラブル、労働です。交通事故は被害者側と加害者側のどちらの依頼でも対応します。刑事事件の依頼を受けることもあります。
ーー仕事をするときに心がけていることを教えてください。
依頼者の話をよく聞くことです。途中で「いや、そうではないでしょう」と遮ったりせずに、依頼者が話したいことを最後まで聞くように心がけています。そのうえで、「この部分をもう少し聞かせてください」と質問して、トラブルの内容をより詳しく把握していきます。
「絶対に勝たなければ」自分を追い込んだ新人時代
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードはありますか。
弁護士になったばかりの頃は、依頼者に寄り添いすぎて、「絶対に勝たなきゃいけない」という気持ちが強かったです。負け筋の事件でも「勝たなければ」と自分を追い込み、結局負けてしまって、「自分のせいだ…」と落ち込むことが多くありました。
あるとき、先輩の弁護士から「そういうやり方を続けていたらもたない。できる限りのことをすればいいじゃないか」とアドバイスされました。それ以来、依頼者の利益に沿うようにできる限りのことをして、負け筋でも負け筋なりに最善の解決策に持っていけばいいと考えられるようになりました。
ーー考え方が変化したことで、仕事に対する向き合い方が変わったのですね。
そうですね。事件を断れるようにもなりました。それまでは、「やってください」と言われたら全て受けなければならないと思っていました。でも、「この事件は負け筋だと思います」と言えるようになったことは大きな変化でしたね。
相談に来られた方で、僕に依頼するかどうか悩んでいる方に対しては、「とりあえず、他の弁護士の意見も聞いてみるといいですよ」と言います。何人かの弁護士と会ってみて、「この先生は話しやすいな」「気持ちを汲んでくれるな」と思える人に依頼することが、依頼者にとっても弁護士にとっても一番いいですから。いろいろな弁護士を見たうえで、また僕のところに戻ってきてくれるなら、一生懸命対応します。
「大丈夫ですよ」の一言が安心につながる
ーー休日の過ごし方を教えてください。
土日のどちらかは仕事をしていることが多いです。平日の日中は電話対応や弁護士会の会務に追われて、なかなか自分の仕事ができないんですよね。そうすると、平日の夜や土日も仕事をすることになってしまって。
忙しい日々の中で、妻と食事に行ったり、テニスやゴルフなどで身体を動かしたりすると、リフレッシュできます。
旅行が好きで、コロナ前は海外旅行によく行っていました。旅先でのんびりしてゆっくりと過ぎていく時間に身を委ねると心身ともにリフレッシュできます。Wi-Fiがあると、メールやLINEで仕事の連絡が来てしまうのがネックですけれど(笑)。コロナが落ち着いたらまた行きたいです。
ーー今後の展望を教えてください。
事務所経営については、拡大するのか、1人でやっていくのか、迷っているところです。1つ考えているのは、若い弁護士たちがなかなか就職先がない状況になったときに、仕事場として事務所のスペースを提供すること。僕が給料を払うのではなく、いわゆる「ノキ弁」(編注:法律事務所の一部を間借りして営業する弁護士。給料は出ず、独立採算型で働く)として仕事をしてもらうのがいいかなと思っています。
僕としても、他の弁護士から意見を聞いたり、違う知識を持っている人と話したりすることで、考えを整理できます。人の仕事の進め方を見ることで、自分のやり方を反省したり見直したりできて視野が広がるので、お互いにとってメリットがあると思います。
ーー最後に、トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
「弁護士はハードルが高くて、相談しにくい」とおっしゃる方も多いですが、とりあえず、相談に来ていただければと思います。トラブルがこじれてから来られると解決まで時間がかかるので、「これは大変なことになりそうだ」と思ったら、なるべく早く相談してほしいです。
今は無料相談を実施している事務所も多いですし、必ずしも直接事務所に行かなくても、電話やオンラインで相談できるところもあります。悩んでいることに対して、弁護士から「大丈夫ですよ」と言ってもらえるだけで安心できますから、お気軽に話をしにいらしてください。