労働トラブル解決に注力〜粘り強い弁護活動が信条 依頼者とともに闘い、妥協なき解決を目指す
大学時代にブラックバイトを経験、労働法に興味
ーー弁護士を目指したきっかけは。
大学時代、あまり労働環境が芳しくないところでアルバイトをしていた経験があり、「労働問題に取り組む弁護士になりたい」と思って法曹の世界を目指した…というのが表面的な理由です。
ーー表面的な理由、ですか?
アルバイトに注力しすぎた結果、就活のタイミングを完全に逃してしまった、というのが正直なところです(笑)。
バイトは塾講師で、最大で20連勤以上するほど働いていました。通常は週3~4コマぐらいなのですが、受験シーズンになると土日の特別講座の講師もやらせていただいて、結果的に連勤になっていた感じでしたね。自分自身は嫌でもなかったので。
ーー一方、大学では軟式野球で全国大会に出場されています。
そうですね。ただ、チームが強かっただけで、私は全然上手じゃないんですけど。大学が早稲田だったので、大隈講堂で友達と飲んだり、飲み会のあと、気づいたら高田馬場のロータリーでひとり寝ていたり…そんな、よくいる感じの学生でした。
ちなみに今も野球チームに入っていて、毎週土曜日の午前中に練習しているんですよ。あと、プロフィールでは「恵まれた体格の長距離砲」と書いていますが、2年ぐらい前から減量をして、もともと130キロぐらいあった体重が今は80キロぐらいになっています。昨年はフルマラソンにも出場しました。
労働問題に注力
ーー注力分野を教えてください。
労働問題は、他の弁護士に比べても多く手がけていると思います。具体的には、残業代の請求や退職交渉や不当解雇など。大学の頃から、労働法が結構好きだったんです。
仕事のなかで心がけているのは、事件の見通しをきちんと立てて、依頼者に丁寧に伝えること。それなりの件数を扱ってきたので、見通しもだいたい見えるんです。だからこそ、きちんとわかりやすく伝えられるようにと心がけています。
ーー大学時代、ブラックバイトを経験されたことはなにか影響していますか?
依頼者に共感しやすくなったと思っています。ブラックバイトと言っても、私自身は上から目を付けられるタイプの人間ではなかったこともあり、ハラスメントなどはあまり経験しませんでした。でも、周りには怒鳴られている人もいたので、気持ちがわかるんですよね。
もちろん、今は当時よりもそういうハラスメントには敏感になっていると思います。ただ、古い体質の会社では依然としてハラスメントが横行していて、依頼されるのもそういう会社との事件であることが多いですね。
ーー依頼者に言われて嬉しかった言葉は?
「スムーズに解決していただいてありがとうございます」でしょうか。
私は事件処理において、「解決に妥協せず、できるだけ粘り強く行動する」というモットーがあります。だからこそ、「すごく強く、一緒に主張してくれて気持ちが楽になりました」と言われることも多いですね。
依頼者には、「自分自身で、しっかり納得するために戦いたい」という気持ちを持たれている方が多いです。たとえば、よっぽど長時間の残業の事件じゃなければ、労働問題で依頼者が何百万円も受け取れることは基本的にないです。不当解雇であっても、早期の解決を目指すと、100~200万円くらいしか請求できないことがほとんどで、そこから弁護士費用を支払うことを考えると、実は相手と戦って依頼者が得られる経済的なメリットはあんまりないんですよ。
でも、皆さん納得するために戦われます。だからこそ私自身も、「きちんと戦ったんだ」ということは依頼者にちゃんと把握してもらえるように努めています。
弁護士は「人生に関わっていく仕事」
ーー弁護士としてやり甲斐を感じる瞬間は?
難しい事件を受けたときに、「一般的にはこう考えられているけど、こういうルートで主張していったらこういう解決に行き着くんじゃないか」と想定して、実際にその通りに進んで解決すると、爽快さを感じることがありますね。ただ、その事件が難しいかどうかは、依頼者にはなかなか伝わらないんですけどね。
ーー弁護士として活動してきた中で印象に残っているエピソードは?
弁護士1年目に、DVの離婚の事件を受けたことがありました。依頼を受けた直後に依頼者の妊娠が発覚して、「子どもを育てていくべきか。それとも、おろしたほうがいいのか」という話をされたんです。「弁護士は法律を扱うだけでなく、人の人生にもしっかり関わっていく仕事なんだな」「だからこそ、人生経験をしっかり積まないといけないな」と思った出来事でした。
ーー弁護士は離婚、相続、交通事故など広い範囲の仕事を受ける仕事です。人生経験が必ずしも追いついてこないジャンルもあるのではと感じます。
今言ったことと相反するのかもしれませんが、一方で私は「所詮、弁護士は法律の専門家であって、人間的に優れているわけではない」という考えを、常に心に置いています。
弁護士の間でも意見が分かれる部分です。私のように「弁護士は法律の専門家であって、人生を偉そうに語る立場ではない」という考えを持つ人もいれば、「弁護士は人徳もしっかりと磨いた上で、人生的なところにもしっかりと踏み込んで話ができなきゃダメだ」という考えの人もいます。とは言え、もちろん対依頼者という意味では聖人でいる必要もありますし、意見を求められたときはきちんと伝えるようにしています。
職場は「人生の多くの時間を過ごす場所」
ーー弁護士として今後の展望は?
これまで労働問題に関わり、労働環境の改善に尽力してきましたが、その中で、「個人の労働者の事件を解決することも当然必要だけど、会社自体の労働環境をしっかり変えていきたい」と思うようになりました。たとえば中小企業からのご相談を受けて、労働問題が起きないような環境作りに携われればなと思っています。そのために、昨年には社会保険労務士としても登録しました。
職場というのは、人生の多くの時間を過ごす場所ですから、働く環境がよくないとなかなか幸せな人生を送れないと思っています。私自身も現在、いわゆる中間管理職として仕事をしていて、「せっかく私の下で働いてくれているのだから、楽しいと思えるような職場環境を整えたい」と思っています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる人にメッセージをお願いします。
事件を解決するのみならず、皆さんが納得するためのお手伝いをしたいと考えていますので、納得できないことがあったときにご相談いただければと思います。
なお、今回は労働問題に関するお話を多くさせていただきましたが、交通事故に関する事件も多く受けています。そういった方の中には、小さな事故だったために、弁護士への相談をためらわれている方がいらっしゃいます。
「弁護士に相談するほどだろうか……」と考えられているのだと思いますが、実際のところ、弁護士が入るだけで、保険会社からもらえるお金はほぼ間違いなく上がります。逆に、何もしなければ保険会社の利益が増えるだけですから、積極的に活用していただきたいです。