平井 宏俊 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
司法試験を受けようと思ったのは、30歳を過ぎたころでした。それまでは市役所の公務員として勤めていたのですが、その中で税務に関する仕事をするようになり、必要に迫られて法律の勉強を始めました。
実際に勉強してみると、答えが一つに決まっているのではなく、考え方次第で導き出される答えが違ってもかまわないという部分がとても新鮮で、案外面白いじゃないかと感じました。そして、「どうせだったら日本で一番難しいとされる司法試験とやらに挑戦してやれ」と考え、思い切って弁護士を志しました。今にして思えば、あまりに無謀で無知な考えでしたね。
今までの経験と現在の仕事内容
2005年5月に、京都府亀岡市内に「亀岡ひまわり基金法律事務所」を開設しました。以来、弁護士過疎地といわれる亀岡に地盤をもつ事務所として活動しており、2011年5月には、京都市内に支店を構えたのを機会に法人化し、「弁護士法人京都亀岡さつき法律事務所」としました。
実際に取り扱っている事件としては、一般民事を始めとして、ご相談さえあれば幅広い分野に対応しています。紹介だけでなく、飛び込みで来られる方のお相談もお受けしています。
亀岡市に事務所を設立した理由
京都府の法律事務所は京都市に集中しています。それに対し、同じ京都府でも亀岡市は弁護士過疎地です。亀岡市に住んでいる方が弁護士に相談しようと思うと、数時間かけて京都市まで出て行かなければならず、結局半日ほど費やすことになります。
京都市内に出かけて行くことが苦でない若い方などには、それでも大して問題ではないのかもしれませんが、亀岡市の中には経済的弱者の方、高齢の方など京都市内の事務所までたどり着くことが難しい方もいらっしゃいます。そのような方たちにとっては地元に法律事務所がないと、問題が起きても弁護士に相談できないという状況になってしまいます。
そのような都心まで行くのが難しい方にこそ、法的なサービスを少しでも充実させたいと、日常的な法律相談やセミナー会の実施など通して当地に根を張り、ひまわりの花を咲かし続ける活動を継続しています。
弁護士としての信条・ポリシー
私自身も弁護士になる前は、弁護士さんなんて自分が死ぬまで世話になどならない(なりたくない)存在だ、と思っていました。今でも多くの方がそう思い、弁護士の敷居は高く、料金も高いと思われているのではないでしょうか。
しかし、自分が弁護士になってみて思うことは、「こんな状態になる前に相談にきてくれてさえしたら、もっと良い解決方法があったのに…」ということです。医療の世界において、かかりつけのお医者さんがいて、早期発見早期治療が最善の治療法であるのと同様に、法的な問題も早い時期に弁護士に相談して、問題になる前に対策を講じることが大切です。
弁護士は、社会的な病気のお医者さんとも言えます。「何かあったら」相談するのではなく、「何かある前に」相談できる、市民の方にとってかかりつけの弁護士さんでありたいと考えています。
目指している弁護士像
私の目指すもの、それは、自分自身を含め、私の周囲、ひいてはもっと広く、皆さんが最高の笑顔で生き生きと暮らせるためのわずかばかりのお手伝いができればということです。
無用な争いをたきつけるような弁護士ではなく、無用な争いはしなくていいように問題解決できる弁護士たりたいと考えています。
もちろん、弁護士ですから、正しく怒るときは怒り、正しく闘うべきときは徹底的に闘うことが前提ではあります。しかし、やはり当事者同士が円満に解決できることが一番ですし、そのような解決が導けるよう常に全力を尽くしています。
仕事をする上で大変だと感じること
事件にかけられる有限な時間と、事務所の経営とのバランスが悩みどころです。ひとつひとつの事件を丁寧に解決したいと思っていますし、担当しているすべての事件に同じだけの時間をかけることができればいいのですが、実際はそうもいきません。
しかし、弁護士が複数の案件を抱えていたとしても、相談に来られる方にとっての弁護士はたった一人です。依頼者の方にとっては弁護士にたどり着くまでにたくさんの葛藤があり、弁護士に相談することは一生一度にあるかないかの大きな決断です。依頼者の気持ちに応えるためにも、ひとつひとつの事件に使命感を持って取り組みたいと思っています。
関心のある分野
法律の分野とは別に、心の分野に関心があります。弁護士として、専門的な知識を日々身につけ、研鑽していくことはもちろん、我々弁護士の使命です。ただ難しい専門用語を並べて、専門家ぶる弁護士にはなりたくありません。
「病気だけ診て患者を診ない専門医師」に私はかかりたくないと思っています。同様に、「事件に勝つことだけ考えてその人をみない弁護士」にもならないようにしたいと思っています。
その意味で、人を対象とする仕事であるからには、まず、その人が相談の場で話す表面的な問題から、その人の抱えている根っこの問題、本質的な問題をいかに発見し、その原因を解明するかということが必要だと思います。
法律の世界でできる事件の解決は結局のところ、金銭解決しかありません。しかし、そこに至るまでの過程において何をするかが大切です。依頼者は何が一番不満なのか、依頼者が本当に求めていることは何なのかという根幹の部分を見抜き、そこを解決して差し上げることで、今まで悩んできた依頼者が元気になるような、人生の区切りを示したいと思っています。
依頼者と関わる短い時間の中で本質を見抜くのは困難なことではありますが、法律相談にもこのようなカウンセリング的な要素を取り入れて行くことで本当の解決を導きだせるのではないでしょうか。そのためにも私は、心理学、精神分析、哲学からスピリチュアル、宗教に至るまで人の心の問題に特に関心をもって、ライフワーク的に勉強を続けています。 その一端は私のブログ「今ここから~弁護士平井宏俊の心の徒然日記」にも書いています。