話し合いを重視した柔軟な対応で「三方良し」の解決を
祖父に弁護士を勧められ、小学生の頃からの夢を叶える
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
小学生の頃に、祖父から「医者か弁護士になれ」と言われたのがきっかけです。私は韓国籍なのですが、おそらく祖父は外国籍であることによって苦労した経験があったのでしょう。手に職を持ってほしいと願って、医者か弁護士と言ったのだと思います。
親戚に医者はいますが、法律関係の仕事をしている人はいませんでした。それなら私が最初に弁護士になろうと思い、小学校の卒業文集にも弁護士になりたいと書きました。弁護士がどんな仕事なのかもよくわかっていませんでしたけど。
ーー夢を叶えるためにたくさん勉強したのでしょうね。
それが、大学ではバレーボールのサークルに入り、サークル仲間とバレーボールや麻雀や飲み会をして、毎日遊んでいました。
一応法学部を卒業しましたが、ロースクールは未修コースを受験しました。大学を卒業する年度はまったく対策をせずに臨み、案の定落ちてしまいましたので、気持ちを切り替えて、1年間アルバイトしながらロースクールの受験に向けて勉強しました。
法律の勉強を本格的に始めたのは、ロースクールに入学してからです。同級生たちに刺激を受けながら司法試験に向けてさらに勉強に打ち込む日々でした。もちろん息抜きもたくさんしました。
話し合いを重視して、お互いにメリットのある解決を
ーー注力分野を教えてください。
特定の分野に限定せず、離婚や相続などの家事事件をはじめ、交通事故、刑事事件、会社関係の相談など、幅広く取り組んでいます。
事件解決の方針として、裁判よりも、交渉や調停といった、裁判の手前のフェーズでの解決を重視しています。裁判だと、白黒をつけるためにどうしても証拠の有無に左右されたり、当事者の気持ちを配慮してもらうことが難しかったりします。
交渉や調停の話し合いであれば、依頼者にとっては妥協が少なく、相手方にとっても納得できる「三方良し」の道を探ることができます。
例えば、お金を請求する裁判に勝っても、相手方が任意に支払わないケースは山ほどあります。そのような場合は、相手方の財産を調べて強制執行をかける手続が別途必要です。
裁判に勝っても、実際にお金が手元に戻らないと意味がないですよね。そういった状況を避けるために、多少金額を妥協する代わりに、確実に支払ってもらうという話し合いをするわけです。依頼者にとっても相手方にとっても、メリットがあると思います。
お金以外の話でいうと、例えば、離婚事件では、子どもの親権や住む場所、財産分与、不倫など、お互いに気持ちがぶつかる点がいろいろとあります。そういうときに、話し合いなら、これは相手方に譲るので、こちらは依頼者に譲ってもらうといった駆け引きができます。訴訟だと全部あちら側になるという結論もあり得るわけです。話し合いなら、両者にとって悪くないところに着地できます。
離婚では特に、合意で終わることができたということは、その人たちの未来にとっても大事なことだと思います。特にお子さんがいる場合には、面会交流などで、関係が続いていきますから。
ーー依頼者と接するときに心がけていることは何でしょうか。
依頼者の利益になることは当然ですが、相手方の利益にもなるような解決を目指したいと思っています。せっかく自分が関わったからには、より多くの人の利益になる方がいいかと思います。とはいえ、当然のことですが、最終的には依頼者の利益を優先します。
依頼者にとっても、相手方にとってもよい解決ができて、依頼者にも相手方にも感謝されたときは嬉しかったです。
上手く話せなくても大丈夫。ためらわずに相談を
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
休日は、子どもの習い事に連れて行ったり、公園に遊びに行ったりして、子ども中心の生活をしています。妻も弁護士で、平日買い物に行く時間がないので、大きいスーパーへ買い物にも行きます。
土曜日の朝に喫茶店でモーニングを食べて、夕方にお酒を飲むのが息抜きです。月1回くらい、趣味のゴルフに行くこともあります。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
子育てとの両立のために、独立して法律事務所を開業しました。子どもが学校から帰宅した時に、家に誰もいないような状況を避けたかったからです。
独身時代のように多くの案件はこなせませんが、依頼者の利益になるように、1件1件じっくり時間を使って、丁寧にやっていきたいと思います。子育てをしながら、2人でできる限りの仕事をして、できる限りの依頼者を幸せにしていきたいと思います。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
電話でも、会いに来ていただいても、どちらでもいいので、一度悩みを話してみてほしいです。弁護士に相談するのは敷居が高いとか、怖いと思っている方がまだまだ多いと思いますが、一度話してみると印象が変わると思います。
悩みを打ち明けるのは、相談相手として信頼できる、この人は大丈夫と思っていただかなければ難しいと思います。私の場合は、法律相談で、いきなり事情の説明は求めません。相談者の心の内をとりとめもなく話してもらいます。
時系列が合っていなくても構いません。「これは相談になっているのか?」と言う方もよくいますが、綺麗にわかりやすく話そうとする必要は全くありません。そうして、心の内を吐き出してもらって、全部受け止めてから、法的な内容の話に入っていきます。
上手く話せるだろうかと心配になることはありません。法律事務所へ行くことや、弁護士に相談することをためらわないでほしいと思います。