
家事事件に注力〜「人の人生に関わる仕事だから」寄り添う気持ちと冷静な判断、どちらも大事に
「依頼者に寄り添いつつも、客観的に、冷静に」
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
もともと将来は資格を生かした仕事につきたいと考えていて、弁護士の「組織に属さず自分の知識や経験で独立して仕事ができる」というイメージに憧れを持っていました。
大学を卒業してから司法試験に合格するまでの数年間は勉強づけの毎日でしたが、最後の1年間だけ個別指導の塾講師のアルバイトをしていました。アルバイトは気分転換にもなりましたし、人に何かを伝えたり話を聞くことが得意だということに気づき、そのことは弁護士の仕事に活かされていると思います。
ーー注力分野とその分野に注力している理由についてお聞かせください。
相続、離婚、財産管理、成年後見など家族関係の分野に注力しています。家族関係の問題というのは、法律の知識や経験を伝えるだけでなく、悩みを聞いたり、心のケアをするなど、依頼者との交流の中で求められるものが多いと感じます。
大変なこともありますが、人の人生に関われることと、自分自身への教訓として考えさせられることも多いので、やりがいを感じています。
ーー仕事をする上で心がけていることはありますか?
依頼者の気持ちをどのように反映していくかについて、気を遣うようにしています。依頼者に寄り添うことは大切ですが、依頼者の心情に寄り添いすぎると判断を誤る危険があります。依頼者に寄り添いつつも、客観的に、冷静に見通しをはっきり伝え、無理なことは無理と丁寧に説明するよう心がけています。
弁護士として活動していると、うまくいかないことが多少なりともあります。私は失敗から学んだことを次に活かすチャンスがありますが、依頼者はそうではありません。一生に一度のこと、場合によっては人生を大きく変えてしまうこともあります。
依頼者の人生に関わらせてもらう以上、納得のいく結果で終われるよう尽力したいと考えています。
「ネットに質問を投稿するように、気軽に相談してほしい」
ーー休日の日はどのように過ごしていますか?
休日は家族とのんびり過ごしています。野球が好きで、オリックスバッファローズのファンなので、プロ野球のシーズン中は仕事中でも試合の結果が気になります(笑)。今年はオリックスがリーグ優勝したので、とても勇気づけられました。
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
5年後、10年後に自分がどのような形で仕事をしているかイメージできていないのですが、今は一つ一つの事件に丁寧に取り組み、依頼者にとって少しでもいい結果になるように仕事をしていきたいと思います。また、世の中の動きに対して、自分なりの意見を持った弁護士でありたいと考えています。
今関心があるのは、子どもの親権問題です。離婚する際、財産は分け合うことができますが、子どもは現在の制度では親権をどちらかに決めなければいけません。その決定が人の結びつきを変え、子どもの人生を左右します。
日本でも共同親権を導入するべきか検討されています。判断が難しいですが、そうした問題に対しても考え続けなければいけないと思っています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えている人にメッセージをお願いします。
今はインターネットで比較的簡単に法律の知識を得られたり、簡単に質問を投げかけることができます。そうやって調べたり質問を投稿するくらいの気軽な気持ちで弁護士に相談してみてもいいのではないかと思います。
インターネット上に散らばっている情報が正しいかどうかの判断も難しいと思いますし、何をどのように相談すればいいかわからない状況であっても、弁護士に相談することで問題解決の方向性が見つけられると思います。法律のプロの知識や判断をぜひ活用してください。