遺産相続の解決事例
  • 相続放棄

死亡後3か月間際に債権者から連絡が来たのに対し,相続放棄の申述が認められた事例

70代 女性
この事例の依頼主 70代 女性

相談前の状況 依頼者の方はご主人が亡くなられました。
万が一借金があるといけないので,お子様は相続放棄をされたのですが,依頼者の方は放棄をすると年金を受け取れないのではと考えて,相続放棄をしないでいました。
ところが,ご主人が亡くなられて3か月ギリギリのところで,債権者からご主人の債務を支払うようにとの連絡がありました。
依頼者の方はこれから相続放棄をするのでは間に合わない,でも債務を支払える余力はない,こうなったら死んでしまうしかないのではないかとまで思い悩まれていたとのことでした。

解決への流れ 別に相続放棄をしても遺族年金の受け取りはできます。
また,判例上,一定の要件が満たされていれば,亡くなられてから3か月を経過した場合でも相続放棄が認められる場合があることは示されています。
本件でも,相続放棄のできる期間は「債権者から連絡があってから3か月」であると主張し,相続放棄の申述を当職代理で行ったところ,無事裁判所に受理されました。
その旨債権者にも連絡したところ,その後特に請求はないようです。

名取 孝浩 弁護士 名取 孝浩 弁護士からのコメント これもよくある事案です。
相続放棄は亡くなってから3か月とされていますが,これは絶対の基準とはなっていません。
民法の条文を読んでているだけだと絶対の基準に見えるのですけれども。
判例で実務が大きく変更されている点の一つです。
ですから,3か月を過ぎていても,相続放棄ができる場合はあります。
しかしながら,注意しないといけないのは「単純承認」にあたることをしていないかです。

この二つについて,きちんと裁判所にわかってもらわないといけないことを考えると,3か月経過してからの相続放棄は専門家に相談される方がよろしいかと思います。
また,相続放棄後には,次順位の相続人が繰り上がって相続人になることも忘れることができません。
そういう意味での「全員」が相続放棄をしないと,いわばババ抜き状態となって,相続放棄を忘れた人のところに債務が集中してしまいますから。

名取 孝浩 弁護士
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