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2017年09月10日 07時24分

シンガポール移住で節税ライフをすごす夢…どんな「落とし穴」が待っている?

シンガポール移住で節税ライフをすごす夢…どんな「落とし穴」が待っている?
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日本の富裕層の移住先の代名詞ともいえる「シンガポール」。東京23区ほどの国土しかないが、富裕層たちを惹きつけてやまない魅力があるようだ。

海外からの資本を集めるために、ビジネス環境が整っていることが評価されているが、特に税金の面でお得だという声を聞くことが多い。

個人でシンガポールに移住することにどんなメリットがあるのか。島田弘大税理士に聞いた。

●日本よりも圧倒的に低い税率

シンガポールの税率は日本に比べる圧倒的に低い税率となっています。法人税率は17%、所得税率も最高で22%(累進課税)であり、日本のような住民税もありません。また、シンガポールは配当金やキャピタルゲインが一定の場合は非課税になる点、さらに相続税や贈与税がない点などは既にご存知の方も多いかと思います。

日本の場合、所得税の最高税率は45%(住民税も入れると55%)であり、単純に比較しただけでも大きな違いがあります。従って、移住をすれば税負担が少なくなるというのはあながち間違ってはいません。

ただし、移住さえすればその低税率の恩恵を受けられるのか、というとそう簡単ではありません。現在日本に住んでいる方がシンガポールに移住する場合には様々な日本の税制について留意する必要があります。

●日本の居住者、非居住者のどちらに該当するか

例えば、日本の税務上の居住者・非居住者の問題です。

日本の税務上の居住者・非居住者のどちらに該当するかどうかで日本での課税範囲が大きく変わってきます。居住者であれば、いわゆる「全世界所得課税」が適用され、シンガポールでの所得も全て日本で課税されることになります。

ただ住民票を抜いて移住すれば自動的に非居住者に該当するわけではありません。また183日以上海外にいれば大丈夫と考えていらっしゃる方もいらっしゃいますが、その場合でも必ず非居住者に該当するわけではありません。

日本の税務上の居住者の定義は非常に抽象的なため、例えば、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実に基づいて総合的に判断されることになります。

ですから、自由度が高く、職務の場所を問わない、株式トレーダーやウェブ上で完結するような職業の方などは比較的リスクを減らしやすく、逆に日本に頻繁に一時帰国する必要がある場合や、日本の住居・ご家族を残したままの移住となるような場合にはリスクが高くなりやすいと言えるのではないでしょうか。

●出国税の適用がないかどうかも検討が必要

また、実際に日本を出国する際には「国外転出時課税(いわゆる、出国税)」の適用がないかどうかも検討が必要です。2015年7月1日以後に国外転出をする一定の居住者が1億円以上の有価証券等を所有している場合には、出国時に譲渡があったものとみなして譲渡益課税されるという制度です(一定の手続きを行うことにより納税の猶予を行うことは可能です)。

今回は移住の際に検討が必要な税制をいくつか紹介させて頂きましたが、他にも外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン対策税制)や移転価格税制などの検討が必要なケースもあります。

もちろん移住による税務的なメリットを受けられるケースも多くありますが、「移住さえすれば」、という考えは危険です。事前検討が不可欠になります。

【取材協力税理士】

島田 弘大(しまだ・こうた)税理士

日本・シンガポールにて会計事務所を運営。中小企業が日々直面する海外取引に係る国際税務コンサルティングを強みとする。個人事業主や中小企業オーナー社長のシンガポール移住・進出支援の実績多数。

事務所名   : 島田&アソシエイツ国際税理士事務所

事務所URL: http://shimada-associates.com/

(弁護士ドットコムニュース)

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