ナオト・インティライミさん「コラ画像」でサイコパス扱いの悪ふざけ、名誉毀損では?

ナオト・インティライミさんのツイッターより
2017年04月25日 10時09分
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世界48カ国を一人旅したことで知られるシンガーソングライター、ナオト・インティライミさん(37)の画像を使った「コラ祭り」がインターネット上で盛り上がっている。だが、一部で「扱いがひどい」という指摘もあがっている。

ナオトさんの画像を使った「コラ祭り」がツイッター上で話題になりはじめたのは、4月下旬に入ったころ。明るい表情のナオトさんの画像に面白いコメントを合わせて、ナオトさんを「サイコパス」(反社会的人格の一種)に仕立てあげるというものだ。

ほとんどは悪意がなく、あくまで遊びにも思えるが、一部のファンからは「扱いがひどい」「面白いけど名誉毀損レベル」という声があがっている。はたして、こうしたコラ画像は、名誉毀損にあたるのだろうか。インターネットの問題にくわしい清水陽平弁護士に聞いた。

●「名誉毀損が成立する可能性は否定できない」

「名誉とは、社会的評価のことをいうと一般的に解釈されています。そのため、名誉毀損が成立するためには、社会的評価の低下があるといえることが必要です。そして、社会的評価の低下があるかどうかは、一般読者の普通の注意と読み方を基準にして判断することになります」

ナオトさんのコラ祭りは、あくまで遊び感覚でおこなわれている。

「遊びであることがわかるという理由で、かならずしも社会的評価が低下しないという見方もできるのですが、その内容を見てナオト・インティライミさんが実際に酷いことをいっている、やっていると信じる人がいないとも限りません。

そのため、投稿されている内容や見え方によっては、社会的評価の低下があると判断できる場合がありうるため、名誉毀損が成立する可能性は否定できないでしょう」

●「悪ふざけはやりすぎるべきでない」

遊び感覚でおこなっていても、名誉毀損は成立するのだろうか。

「名誉毀損は、形式的に社会的評価の低下があるとしても、(1)公共性、(2)公益目的、(3)真実性という3つの要件を満たせば、違法性がないとされ、成立しないことになります。

このようなコラは、遊び感覚・面白半分でやっているだけなので、いずれも満たさないと思われます。遊び感覚であるということは、何ら免責される理由にはならないということに注意する必要があります。

もちろん、ナオト・インティライミさんも、遊び感覚でやられていることは理解するでしょうから、一定程度は許容する可能性があります。

名誉毀損罪は親告罪といって告訴なければ起訴できない犯罪であるため、一定の範囲にとどまるものであれば、告訴までしないのではないかと思われます。

その意味で、問題になるかどうかは、ナオト・インティライミさんの考え方次第であるといえ、悪ふざけはやりすぎるべきではありません。

遊び感覚・面白半分であっても、いったん立ち止まって、誰かを貶めたり、気分を害するようなものになっていないか、考えるべきでしょう」

ほかに注意すべきことはないだろうか。

「なお、仮に名誉毀損にならないとしても、使われている画像の多くは、CDのジャケットやテレビ出演時のキャプチャー、本人が公開している写真だったりするようです。これらの画像は著作物といえ、著作権者が存在しているはずです。

コラは著作権者に断りなく著作物を利用しているものです。したがって、複製権や公衆送信権侵害、コラにより別の画像と合成している場合には、同一性保持権侵害などの著作権侵害が成立する可能性があります。

著作権侵害も親告罪であり、こちらも権利者が黙認している間はよいですが、度を過ぎれば責任追及をされるおそれがあることは、覚えておくべきでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

清水 陽平弁護士

清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士

インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、Twitterに対する開示請求、Facebookに対する開示請求について、ともに日本第1号事案を担当。2016年12月12日「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第2版(弘文堂)」、2017年1月18日「企業を守る ネット炎上対応の実務(学陽書房)」を出版。

事務所名:法律事務所アルシエン

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