フェイスブック「匿名」投稿の発信者情報を開示せよ――東京地裁が仮処分命令

Facebook Japanの公式ページ
2014年08月12日 17時47分
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SNS大手の「フェイスブック」に投稿された匿名の文章。その投稿者が誰なのか、フェイスブック社に情報を開示させる「仮処分命令」が8月12日午後、東京地裁で発せられたことがわかった。仮処分を申し立てた清水陽平弁護士によると、フェイスブック社に対する発信者情報開示の仮処分命令が出されたのは、国内で初めてという。

清水弁護士によると、問題となったのは、首都圏のある店舗のフェイスブックページに6月上旬、書き込まれた文で、「キチガイ」など、店舗で働く人に対する「誹謗中傷」といえる表現が含まれていた。

フェイスブックは「実名制」を原則としているが、この書き込みをしたアカウントの名前は、本名とは考えられない不審なものだった。そこで、店舗の経営者から清水弁護士に対して、「書き込んだ人を特定して、慰謝料を請求したい」と、依頼があったのだという。

●投稿者のIPアドレスやログイン日時などを開示

清水弁護士が今回行ったのは、フェイスブック社に、書き込んだ人のIPアドレスなどの情報開示を求める仮処分申請という手続だ。仮処分は、本裁判に比べて簡易・迅速な手続で、裁判所が「仮の判断」を下すという手続のこと。東京地裁は仮処分申請を受け、フェイスブック側代理人の意見も聞いたうえで、発信者情報の開示を命じる決定をした。

フェイスブックの利用規約によると、日本国内のユーザーは、欧州アイルランドにある「Facebook Ireland Limited」と契約を結んでいることになっている。海外企業に裁判を起こす場合、通常はその国の裁判所に訴えないといけないが、日本で事業展開する企業が相手のときは、東京地裁に提訴できる。そんな民事訴訟法上の「特例ルール」を利用して、フェイスブック社に対する仮処分命令を求めたのだという。

東京地裁の仮処分命令を受け、フェイスブック社からは今後、書き込んだ人のIPアドレスやログイン日時などが開示されることになる。それから次のステップは、フェイスブック社が開示した情報をもとに、プロバイダ(ネット接続事業者)に接続者情報の開示を要求することだ。こうして、プロバイダから接続者情報が開示されれば、匿名で書き込みをしたのが誰なのか、把握できる可能性が大きくなるというわけだ。

清水弁護士は「SNSに匿名アカウントをつくって、中傷的な書き込みをする人はあとをたちません。しかし、そのようなアカウントの『匿名性』は完全ではなく、リスクは非常に高いのだということを認識したほうが良いでしょう」と警告していた。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

清水 陽平弁護士

清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士

IT法務、特にインターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定に注力しており、平成24年には東京弁護士会の弁護士向け研修講座の講師を担当し、26年にも同様に講師を担当している。

事務所名:法律事務所アルシエン

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