中塚 恵介 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は文学部の学生で日本史学を専攻していましたので、4回生の春に就職活動をするまでは法曹界について興味も関心も知識もありませんでした。マスコミ志望で新聞社出版社を受験しましたが、どこからも内定がもらえませんでした。普通であれば焦るのでしょうが、当時は就職氷河期で周りにもそれほど内定者はおらず、特に焦ることもなく、逆に腰を据えて将来についてじっくりと考えるきっかけになりました。
このような中、発想の転換で、マスコミに取材される側の仕事に興味を持つようになりました。パッと思いついたのが警察官で、どうせならキャリア警察を目指そうと思い公務員試験についての本を読んでいると、検察官という職業の紹介があり、どうも、警察官を指揮する仕事だということがわかりました。そこで、検察官になるためにはどうすればいいかと調べてみると、「司法試験」という言葉に行き当たったわけです。
そこで、公務員試験か司法試験かどちらにしようか考え、司法試験の方が難しそうなので受かった場合の達成感があるだろうということ、司法試験は6教科だけで深くじっくりの勉強でき、幅広く学ぶ公務員試験よりやりがいがあると感じたことから、司法試験を目指しました。
司法試験の受験勉強を通して、法律の勉強の面白さや深さに引きこまれていき、これを生業とする職業に就きたいと思いが強くなり、将来弁護士となることに対して真剣向き合うようになっていきました。そして、幸いにも司法試験に合格することができ、晴れて現在は弁護士として仕事ができています。
今までの経験と現在の仕事内容
一般民事事件が中心ですが、主に国選事件ですが刑事事件も扱っています。
民事事件については、一般市民の方からの依頼案件がほとんどでして、市民の方からの相談内容に応じて色々な事件を扱っています。ですので、特に具体的な専門分野を持ってそれに特化して事件を扱うというようなことはしておりません。このように特定の専門分野に特化せずに様々な事件を扱うというスタイルは、特に地方の弁護士においては通常のスタイルであるかと思います。
このような中でも、比較的多く扱う事件、扱わない事件と言うのは出てくるのですが、交通事故関係の事件は、比較的多く扱っております。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の方が一般市民の方が多いですので、事件の見通しや手続きの流れについて、専門的な言葉や小難しい言葉を使わずに噛み砕いた表現で、丁寧に分かりやすく説明できるように心掛けています。それは弁護士の仕事として、案件解決をスムーズに行っていく上でも、依頼者との正確な意思の疎通は大切なポイントとなってくるからです。
依頼者は人生においての大きな問題に直面して、弁護士に相談にきています。不安な思いや、怒り、憤りといった気持ちを持っていらっしゃる中で、訳の分からない話を聞かされることは、更なる不安の要素を産むことになります。
法律は専門性が高い内容や言葉が多く、日常で法との関係が少ない依頼者が安心して問題の方向性や解決までの道のりを把握できるよう、依頼者の立場になって考え話を進めていくことはいつも意識して仕事を進めています。
加えて、法的観点に基づく見通しの判断と、実際にそれが実現可能かどうかという判断の両面を意識して、説明するようにしております。依頼者は問題の解決の為に、弁護士の元を訪れますが、法律的には依頼者の言い分や主張が正しかったとしても、必ずその訴えや要求が実現できるとは限りません。
そういう意味で、法律的な観点だけからアドバイスを差し上げても、依頼者の望む解決や納得には至らないこともありますので、そのようなことにはならないよう、常に実現可能性の側面も意識して説明するようにしています。
関心のある分野
特に専門があるわけではなく、逆に、どのような相談でも扱えるようにしておこうとしております。
また、刑事弁護人の仕事(主に国選事件ですが)は、出来る限り手持ち事件の一つとして扱っておきたいと考えています。刑事事件の被告人や被疑者の方の中には、身内との関係が疎遠になったり、仕事を失い、社会的地位を無くし厳しい立場に追い込まれてしまうことが少なくありません。
このような被告人や被疑者がこれから罪をどのように償っていけばいいかを一緒に考え、社会復帰の手伝いをしていくことが刑事弁護人の仕事です。被疑者や被告人の身内や関係者に今後のお世話や監督をお願いしたり、被害者の方にお詫びや償いの交渉をしたりと、決して楽で容易な仕事ではないのですが、一方でこの仕事をやりきった時の遣り甲斐も非常に大きいです。
そして何よりこの仕事は、純粋な意味で、弁護士にしかできない仕事ですので、弁護士として働いている限りは、必ず扱い続けたいと思っています。