
依頼者が「安心して相談できること」を大切に 交通事故事件に注力
「依頼者の正当な権利を実現できるように」
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
特別な理由があったわけではありません。将来は公務員になろうと思って法学部に進学したのですが、周囲に司法試験を目指す同級生が多かったので、「自分も目指そうかな」と軽い気持ちで司法試験に挑戦してみようと思ったんです。
3回生になるころから予備校にも通い始めて、サークル活動などもそこそこにして、勉強に打ち込むようになりました。当初は旧司法試験にチャレンジしていたのですが、大学卒業後は法科大学院に進学して勉強を続け、最終的に合格することができました。
ーー注力している分野は何ですか。
交通事故の相談が多く、自然と注力しています。もともと司法修習中の修習先で交通事故を集中的に扱う事務所を経験していたので、苦手意識がなかったことも影響しているかもしれません。
その他では、不動産・建築関係、破産事件を取り扱うことも多いです。認知症などで判断力が低下した方の財産管理のために後見に関わる依頼を受けることもあります。
ーー弁護士として仕事をする上で心がけていることはありますか? やりがいを感じるのはどんなときですか?
当然のことではありますが、相談者が安心して相談できることを心がけています。事件の解決に関係ないことであっても、まずは全てお話いただいて、途中で話を遮ったり、こちらの考えを押し付けるようなことはしません。
やりがいというか、やる気になるのは、依頼者が正当な権利を主張しているのに、それが制限されているような事件ですね。そんな事件を担当するときはいつも、「しっかり権利を主張して、依頼者の正当な権利を勝ち取らなければ」という思いで事件に臨みます。
弁護士の敷居は決して高くない
ーー印象に残っている事件はありますか。
どれか一つに絞ることは難しいのですが、担当した刑事事件は印象に残ることが多いですね。民事事件と異なり、相手は国家権力なので、弁護士の存在意義のようなことを実感できるからかもしれません。
刑事事件の被告人にとって、味方は弁護人しかいません。弁護人は捜査機関でも裁判所でもないので、被告人が「やっていません」というなら、その言葉を信じて全力で弁護します。
日本では起訴されると99パーセント有罪判決を受けます。依頼者が事件への関与を否認していても無罪になることはほとんどありません。
そうした状況の中で、傷害で起訴された事件を罪の軽い暴行の範囲に留めることに成功したことや、実刑となる可能性が高い事件で執行猶予判決を勝ち取ったときは、依頼者からもとても喜ばれましたし、自分にとっても印象に残っています。
ーー今後の展望について教えてください。
パートナーの弁護士と2人で事務所を切り盛りしているのですが、手一杯になっている部分があるので、新しい仲間を迎え入れられたらと考えています。弁護士の人数が増えれば、対応できる事件の幅も増え、より規模も大きい事件も担当できるようになりますから。
また、企業法務の分野にもより精通できるようになっていきたいと思います。企業の事業承継やM&A、会社訴訟といったより専門性の高い分野に対応できるようになっていきたいですね。業務は忙しいですが、合間をぬって最新の法令や判例などの情報のインプットは欠かさないようにしています。
ーー最後に、法律トラブルで悩む方々にメッセージをお願いします。
冒頭でも述べましたが、私の事務所は「安心して相談できる」ということを大切にしています。弁護士に相談することは敷居が高いと考える方はまだまだ少なくないと思いますが、私の事務所はそんなことはありません。ぜひ気軽に相談に来てほしいと思います。