韓 検治 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学時代は経営学部で、大学3回生ころまでは、弁護士どころか法律にもまったく興味がありませんでした。ただ、私は日本で生まれた在日韓国人3世で、大学在学中に韓国の学生やNPOと交流がありましたので、将来は、国境をまたいで活躍できるような仕事、たとえば国連などで働くか、企業に勤めて海外で勤務したいと思うようになりました。
それで、国際政治や国際法を学ぼうと思い、大学卒業と同時に大学院の法学研究科に進学し、国際公法を専攻しました。しかし、法学研究科で勉強を続けるうちに、ビジネスよりも人権や環境問題に興味を持つようになり,裁判傍聴など所に行く機会もあって、次第に法律に興味を持つようになりました。大学院卒業後は、在日韓国人のNPOで勤務していましたが、30歳を過ぎたころに一念発起して弁護士を志すようになりました。
新司法試験について
新司法試験制度については問題の多い制度だと考えています。いくつかの理由がありますが、まず、5年以内に3回という受験回数の制限です。私自身、大学院卒業後、数年間の社会人体験を経て、その過程で問題意識を土台に弁護士を志しました。ですので、社会人時代の経験は弁護士になってからとても役に立っていると感じています。
若くして合格するのもいいですが、大学を出た後、いろんな経験をした上で弁護士になること、そうした人がたくさん輩出されることは素晴らしいと思います。
ですが、新司法試験は、そもそも多様な人材を輩出するためにできた制度であるのにも関わらず、金銭面での制限により、むしろ多様な人材の輩出を困難にしているように思います。合格者の人数も今よりは減らすべきと思います。
廃止すべきとまで思っているわけはありませんが、旧試験のようなルートで法律家になる道は制度として残すべきですし、また、新司法試験制度自体の改善点も多々ある思います。
弁護士としての信条・ポリシー
じっくりと依頼者の話を聞くことです。たいしたことではなくても弁護士と話したいだけで訪ねて来る人もいます。相談者にとって一番いい解決方法が何かということを常に意識して相談していると、法律相談と言うよりも人生相談のような話で終わることもよくあります。
たとえば離婚したいといって相談に来た人が、「やっぱりもう一度夫婦で話し合ってやり直したいと思います」といって帰って行くことなどもあります。
私は弁護士にとって一番大切なものは体力であると思っています。弁護士の仕事は肉体的に非常に過酷です。また、体が参ると精神力が持たない、集中力がもたないということから、健康維持が大切であると思います。
また、弁護士になって感じたことがあります。それは時間の経過するスピードが速いということです。常に数ヶ月先の日程まで見越して準備しなければならず、もう次の期日がきたのか、締切りがきたのかと、日々業務に追われています。弁護士の中には仕事に疲れて精神的にまいってしまう人も多いと聞きますが、私も弁護士として働いていて他人事とは思えません。
心が元気でいるためにも、まずは体が元気である必要があると思います。そういったことも踏まえて健康維持、体力は弁護士にとって一番大切であると思います。
関心のある分野
今は、交通事故です。個人的に深めたい分野であります。接骨院や医者の友人がいることも理由の一つです。ただ、弁護士になりたての頃、大先輩の弁護士から「専門分野を何にするかなんて意識して考えてもなかなか決まるものじゃない。どんな依頼でも一生懸命に取り組んで、10年経ったら自然にできてくるもんだ」と言われました。まさにその通りだと思います。
ですので、交通事故はもっと専門性を高めて行きたいとは考えていますが、それにとどまらず、日ごろの業務の中で、関心のある分野をもっと広げて行きたいと考えています。私は韓国籍であるので相談者の中には在日の方も多いのですが、相続や離婚等親族関係に関する法律に関しては韓国法が適用される場面もが多いため、韓国の関連法や制度に関しては意識して勉強するようにしており、今後さらに専門性を伸ばしていきたいと考えています。