使用者側の労働問題に20年間尽力 不利な立場にあっても粘り強く取り組み、活路を見出す
孤独に悩みを抱える使用者を一人でも多く救いたい
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
もともと外交官を目指して法学部に進学したのですが、大学に入学してすぐの頃に参加したオリエンテーリングで、ある町弁の先生のお話を聞く機会があり、そこで初めて弁護士という仕事に強く惹かれました。
「自分も弁護士になって様々なトラブルを解決し、少しでも多くの人々が住みやすい社会を作りたい」と思い、弁護士を目指すことを決めました。周囲に法曹を目指す知人も多かったので、共に切磋琢磨し合いながら勉強し、司法試験に合格することができました。
ーー注力されている分野を教えてください。
使用者側の労働問題に注力しています。以前勤務弁護士として入所していた事務所で主に取り扱っていたため、自然と取り組む機会が多かった分野です。独立し現在の事務所を設立してからも使用者からの相談が多く、この分野に取り組む意義を強く感じたため、注力しています。案件としては未払い残業代請求に関するものが半数以上を占め、それ以外には問題社員の懲戒処分、パワハラ対応といったものがあります。
ーー使用者側の労働問題に取り組むやりがいを教えてください。
労働法というのは契約自由の原則を特に労働者を保護するために変更した法律で、基本的に労働者が有利な内容となっています。
しかし、当然使用者にも主張があり、たとえ不利な状況であったとしても、筋の通った主張をすることで裁判官を説得することができますし、使用者側に有利な結末で終えられることも多いです。
孤独に悩みを抱えている使用者に寄り添い、一人でも多く助けることが私の使命だと思っています。相談時には憔悴していた使用者が、最終的に肩の荷が下りてほっとしたような表情を浮かべているところを見られた時は、この分野に取り組んでいて本当に良かったなと感じますね。
依頼者との何気ない雑談も大切に
ーー具体的にはどのように進めていくのでしょうか?
当然のことではありますが、依頼者のことをよく理解することです。例えば、業務に必要なヒアリングだけでなく、何気ない雑談も大切にしています。
依頼者との親密度を深め、信頼関係を築くという点でも重要ですし、雑談の中でふと依頼者がこぼした言葉や心情から、相談時には見えてこなかった企業の内情に関する情報が見えてくることがあります。
その情報がこちら側に不利になるものだった場合、裁判でも負けてしまう可能性があるため、依頼者の損失が最小限になるよう、和解の方向で準備を進めることもあります。
不利に立たされていることが前提の使用者側の労働問題においては和解が非常に重要となります。和解を成立させるためには、依頼者の納得はもちろん相手方の同意を得る必要があり、そのためには相手方の望みや納得してもらえる落としどころを探らなければいけません。
しかし、多くの場合は相手方も既に弁護士をつけており、直接意思を確認することができないため、相手方の人柄や立場などを基に推測する必要があります。
私のもとには使用者だけでなく労働者の相談者も来るため、労働者の話を聞いたり実際に取り組んだりする中で、労働者がどのような気持ちで行動を起こしているのか、具体的に何を求めているのか、というのをある程度想定することができます。
例えば未払い残業代を請求する労働者の中には全額支払いを求めているわけではなく、自身の無念を晴らしたい、使用者側から謝罪してほしい、という思いを抱えている方も多いです。その意思を読み切り、できる限り依頼者の利益を守れるような着地点を両者に提示することが重要です。
相談することで必ず前に進める
ーー休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
休日は家族と一緒に映画やアニメを観ることが多いですね。大の阪神タイガースファンなので、シーズン中はテレビで観戦したり球場に足を運んだりしています。オフシーズンでも練習などの日々の情報を欠かさずチェックしています。
趣味は美味しいものを食べることで、食べることが好きな人たちが集まったSNSサークルに参加していて、おすすめのお店を投稿したり、逆に教えてもらったりしています。
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
労働法の改正や雇用情勢などの変化に対応できるよう常に知識をアップデートしながら、引き続き企業支援に力を入れていきたいと思っています。また、顧問先企業をより包括的にサポートできるよう、EAP(従業員支援プログラム)にも積極的に取り組んでいきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
トラブルを抱えてしまったものの、どのように対処すればいいのか全く分からない、という方もいらっしゃると思います。まずは一度、法律の専門家からのアドバイスを聞いていただけたらと思います。相談の段階で解決できるものもありますし、今後の方針が見えてくることもあります。解決に向けて必ず前進できると思いますので、ぜひ相談に来ていただけたらと思います。