古井 健司 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は弁護士になる前、外務省で働いていたので、特に学生時代から弁護士を目指していた、というわけではありません。なかなか、当初の思い描いていた予定通りには進まないところが人生です。役人時代には、横文字を使った交渉案件を多く扱っていたので、そういった経験を活かせる道としていろいろ探していたところ、たまたま縁があったのか、弁護士に行き着いた、というのが実際です。
外務省での経験
外務省の仕事の一つは、国内のいろいろな利害関係者の主張をまとめて、相手国と交渉し、国の利益を守ることです。その過程においては、話し合いもしますし、時と場合によっては、もろもろの駆け引きがあったり、関係者をなだめてすかして、うまく話をまとめる方にもっていかなくてはなりません。特に、国内の対立が激しい問題は、国内をまとめる方が大変なこともあります。
弁護士の世界でも、同じように相手と交渉したり、話をまとめたりすることは重要な仕事です。役人時代のノウハウや、修羅場をくぐった経験は、今、弁護士の仕事をするうえで十分に活かされていますし、ひとつの自信にもなっています。
今までの経験と現在の仕事内容
北海道に来る前は東京で勤務しており、渉外や、企業法務の分野を中心とした仕事をしていました。金融機関など、法律に基づいて規制されている企業のコンプライアンスや、そうした企業が当事者となるMA案件などが仕事の中心でした。
北海道に来てからは、どちらかというと、債務整理や個人の金銭トラブル、相続、成年後見、さらに、刑事事件といった仕事が中心となっています。ただ、稚内は面白いところで、市内の会社さんとロシア側のカウンターパートとのもめごと、金銭トラブルなどの事案もありますので、当事務所では、企業法務や渉外事件も個人事件と同じくらい重要な仕事の柱になっています。
弁護士としての信条・ポリシー
特に仰々しい信条などがあるわけではありませんが、まずは依頼者の方のお話をよく聞いて、数ある選択肢の中から、どのような方向性がその人にとって、あるいはその事案について、望ましい解決策であるのかを、一緒に考えましょう、というスタンスで仕事をする、ということでしょうか。
地方では特に、「弁護士は敷居が高い」という声を耳にしますが、よくよく聞いてみると、弁護士に対して「怖そう」「なんとなく話しにくい」といった印象をお持ちの方が多いようです。
確かに、弁護士がよく話も聞かず、説明もせずに、一方的に意見を押し付けてくる、あるいは、そういう印象を与えてしまうケースもあるそうなので、そうなってしまわないように、気をつけています。
関心のある分野
昔はありましたが、今は、特に自身の関心のある分野、というのは気にしてはいません。というのも、私がいるような地方では、弁護士の関心とは関係なく仕事が舞い込んできますので、自分の関心分野に特化することを考えたり、限られた分野のことを気にしていても、自分の関心にフィットする仕事があるとは限らないのです。
ただ、中には弁護士という立場を超えて、いろいろ話をしなければならないケースもありますし、単純に法律や裁判の話だけをしても、話がすまない場合も多くあります。そういう意味では、「たまたま弁護士という職業を生業とする道外からの移住者」というある意味第三者的な視点から考えることもあります。
最近では、首都東京を中心とした世界観や国家観、経済観を離れて、北東アジアを中心とする経済圏の中での北海道の経済発展や、北海道への移住促進、といったテーマに関心をもっており、そういった方面の活動もしています。