芝垣 美男 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
明確な理由はなかったのですが、小学生の頃から漠然と政治家に憧れる気持ちがあって、弁護士を経て政治家になるのが夢への近道だと思ったのです。
中高と生徒会長を続けたり、活動的でした。北海道大学在学中に司法試験に合格し、今に至ります。
昔から政治家に憧れていたと言いましたが、結局政治家は私とは人種が違いすぎて、私には合っていないということで断念しました。政治家には図太さや頑固さが必要で、自分には向いてないと思ったのです。出馬のお願いなども合ったのですが、お断りして、弁護士一本で25歳から41年間歩んで参りました。
今までの経験と現在の仕事内容
室蘭はローカルな地ですから、国を相手にしたり、莫大なお金が動くような大きな事件はあまりありませんが、心に残っている事件はいくつかございます。
刑事事件で2つ心に残っていて、いずれも国選弁護人として請け負った刑事事件訴訟でした。ひとつは幼児に対する強姦事件で、被告人は精神分裂病を患っていて、責任能力がないことを証明できました。もう一つは強盗致傷事件で、被告人と100通を越える手紙のやり取りを経て、なんとか無罪を勝ち取れました。強盗致傷事件の被告人からは今でも手紙がくるほどの付き合いなので、大変心に残っています。
いずれの事件に対しても言えることは、検察官や警察の捜査上のミスが大きかったということです。弁護士の役割は裁判官に対して少しでも(100%のうち1%でも)有罪ではないのではないかと思わせることだと思っています。
現在も、刑事事件では覚せい剤、窃盗など、民事では遺産相続、離婚など様々な案件を請け負っています。
近年感じることは、とくに金融の相談に関して、弁護士の役割が変わってきているということです。以前(30〜40年前)は「どうすればお金を回収できるか」という債権者側からの相談が多かったのですが、ここ20年は「どうすればお金を返さなくて済むか」という債務者側からの相談が圧倒的に多くなっています。長く弁護士業をしていると、こういった時代の変化にも感じるところがありますね。
弁護士としての信条・ポリシー
とくにしっかりしたポリシーを持っているというわけではないですが、とにかく争いごとはあまり好きではありません。民事訴訟もなるべく和解の方向に持っていくようにしています。私が関わった民事裁判で判決を要するのは3年に1回くらいかもしれません。民事はほとんど和解で終了です。白黒はっきりさせるのを嫌う純日本人の気質ですね。
趣味の落語について
小学4年生のときに、ラジオで落語を聞いて大変面白く感じたことがきっかけで、落語を聞くようになりました。高校でも落語活動を行い、大学在学中には北海道大学の落語研究会を創始しました。これは今も続いていて、何百人も卒業生を輩出しています。
落語をしていて一番よかったことは、NHK主催の企画で、文化ホールにて落語界の権威、立川談志と共演できたことです。彼が私に言った、弁護士として世の中のことを語るのが君の落語との言葉は大変心に残っています。
ほかにも、落語を通じて話術が鍛えられたからか、講演依頼も多く頂きます。弁護士としての講演、落語家としての講演、いずれも日々行っています。