交通事故の解決事例
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人身傷害保険の支払による保険代位の範囲についての最高裁判決

この事例の依頼主 年齢・性別 非公開

相談前の状況 本件は人身傷害保険と、損害賠償請求権の調整が問題となった最高裁判例です。
被害者(原告)側は、被害者に最も有利な計算方法である裁判基準差額説を主張していました。これに対し、保険会社側は、比例説を主張していました。

解決への流れ 最高裁判所平成24年2月20日判決・最高裁判所民事判例集66巻2号742頁
長年、被害者側と保険会社側で論争があった人身傷害保険の約款の解釈について、被害者側に有利な解釈を確定させた最高裁判決です。
(1)交通事故の被害者が、人身傷害保険の保険金を受領した後に、加害者(賠償義務者)に対して損害賠償請求訴訟を提起し、過失相殺が認められる場合の保険代位の範囲についての初の最高裁判例(保険会社に有利な絶対説を採用した高裁判決を破棄し、被害者に有利な裁判基準差額説を採用したもの。)。
(2)人身傷害保険金を支払った保険会社は、損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得することはない。ただし、被害者は、人身傷害保険金が支払われた日までの遅延損害金を賠償義務者に請求することができる。
2012年 2月

青野 渉 弁護士 青野 渉 弁護士からのコメント 人身傷害保険が平成10年に発売されて以降、10年以上にわたり、人身傷害保険を支払った場合の代位の範囲は争われてきました。裁判例は区々に分かれており、東京地裁交通部と大阪地裁交通部で計算方法に違いがあるという時期もありました。被害者に最も不利な「絶対説」、被害者に最も有利な「裁判基準差額説」、その中間にあたる「人傷基準差額説」、「比例説」等の様々な見解が主張されてきました。
本件の最高裁判決で、被害者に最も有利な「裁判基準差額説」で計算することが確定しました。
なお、本件最高裁判決については、私と近藤弁護士の共同執筆で「人身傷害保険の支払による保険代位の範囲」法学セミナー2013年2月号の解説に詳しく解説がなされています。

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