「色々な壁にぶつかりながら弁護士になった」悩み迷って生きてきたからこそ見つけた、相談者との向き合い方
Jリーガー代理人の弁護士に憧れたのがきっかけ
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
知り合いが、Jリーガーが海外のクラブチームに移籍する際の代理人をしていたことです。将来どうするかを決めかねていたときにその人のことを家族から聞いて、「弁護士ってそういうこともできるんだ」と、弁護士という仕事に色んな可能性を感じました。
あとは、サッカーが好きだったことも影響しています。もともと幼少期からしていたわけではないんですが、高校の頃にサッカーを見るのにハマったんですよ。それまでサッカーほど熱中できるものがなかったので、それで「サッカーに携わる仕事ができたらいいな」と漠然と思っていました。
ーーサッカーに関わるという意味では、他の仕事でも可能です。その中でも弁護士を選んだのは?
自分の身近にそういう人がいたというのが大きかったと思います。
様々な壁にぶつかってきたからこそ、被疑者の「苦しみ」に共感
ーーでは、そんな先生が注力していらっしゃる分野を教えていただけますでしょうか?
僕が今、注力しているのは刑事事件で、その理由は「普通の仕事をなぞるだけじゃなくて、自分にしかできない仕事があるんじゃないかな?」と思ったことです。
刑事事件の被疑者被告人の中には、人との良い出会いがなかったり、環境やタイミングが原因で過ちを犯してしまった人がいると僕は思っています。たくさん話しを聞いて自分が感じたことを伝えて一緒に気づきやキッカケを見つけ、また更生のための環境作りも手伝うことにより、自分と関わることがその人にとっての意味ある出会いの一つになればと考えています。そのためにも、僕の言葉に血が通っていないといけないと思いますし、自分自身が人に影響を与えられるような考え方でいないといけないと思っています。
ーー弁護士として活動をされてきた中で印象的だったエピソードは?
性犯罪に関する刑事事件で、何度も何度も接見に行って被疑者と話している中で、彼から、僕が何故弁護士という職業を選択したのか真剣に尋ねられたことがあって、それをきっかけに将来についてたくさんの話をする中で彼が彼自身の将来の夢を見つけてくれたことがありました。「資格を取るんだ」と言ってくれて、実際、今年その試験に通ったんです。それが一番印象に残っていますね。弁護士として関わるなかで、人間が立ち直り、更正するきっかけを掴む瞬間を見るのは、大きなやりがいです。接見中に話して、その中から感じるものを得てくれて壁を乗り越えてくれる……というのは、弁護士にしかできない仕事じゃないかなと思います。
ーー迷いながら生きてきた先生だからこそ、被疑者目線に立てるのかなと思いました。
僕は、すんなりと試験に合格して弁護士になったタイプではありません。むしろ、自分の可能性に迷いながら、色々な壁にぶつかり立ち止まり苦しみ乗り越えながら、たくさんある問題や困難をひとつひとつ分析し工夫し解決しながら、そうやって地道に弁護士になった人間です。
人の何倍も努力しないといけないのが当たり前でした。そんな風に生きてきたからこそ、もし色んな環境因子や周りにいる人が違ったら、自分の努力に自信が失くなり僕自身も壁にぶつかった状態で乗り越えられなかったかもしれない……そう思うんです。 法律相談に来てくださる方というのは、今まさに壁にぶつかっている人が多いと思っていて、壁の前にいる人の不安や苦しみには共感できるっていうのはあると思います。
ーー弁護士を志したきっかけが華やかなのに対し、今は泥臭い働き方をされている印象です。ある意味、かつて想像した働き方とは違うのでは?
その話をすると、実は去年、プロ野球の公認代理人の資格を取ったんです。ですので、そっちはそっちで挑戦していて、これから開拓していけたらなと思っております。
ーー今も夢を追い続けているんですね。
刑事事件や相続事件についてのやりがいを感じ腰を据えながらも、色んな仕事に挑戦できるのが弁護士の仕事の魅力ですので、自分が当初思い描いていた、スポーツ関連の仕事も、アンテナを張った状態でいたいと思っています。
人との関わり合いの仕事なので、常に思いやりを忘れないこと
ーー仕事をするときに心がけられていることは?
弁護士は、争い事に顔を出す仕事ですので、人よりもネガティブな感情に触れることが多い仕事です。なので、そういうネガティブさをもらってしまわないためにも、常に自分を磨く必要があると思ってますし、『自分の中心』みたいなものを、ぶれずにしっかり持つことを心がけています。
あとは、人との関わり合いの仕事なので、思いやりを忘れないこと。当たり前のことではあるんですけど、でも本当にこれが全てだと思っています。とくに弁護士の先生って偉いイメージがあるので、「気づいたら上から……」みたいにならないように心がけています。
ーーネガティブな感情に触れるというのはリアルな言葉だと感じました。だからこそ、休日の過ごし方や趣味を持つことも大切そうです。どういった過ごし方をされていますか?
最近はあんまり外に出ないのもあって、家で家族とお酒を飲むことが多いです。ビール、日本酒、ワイン好き嫌いなく色んな種類のお酒を嗜んでいます。
外に気軽に出られた頃は何をされていましたか?
食べ歩きが趣味なので、色んなお店に行っていました。お魚がが好きなので、お出汁を使った魚料理も好きですし、お刺身もすごく好きです。朝市に行くこともあって、そこで海鮮丼食べたりとか。コロナの関係でお店の味を食べることが出来ないならもう自分で作るしかないと思い最近料理を始めたので、市場で魚を買ってきて、家で料理することもありますよ。
「変に壁を作らず気軽に相談してほしいです」
ーー今後の展望を教えていただけますか?
今やっている刑事事件に注力しつつ、スポーツ関係の仕事も見据えつつ、と同時に顧問先との関係で相続分野にも興味を持っています。なので、他士業と連携をとって、自分自身も知識をアップデートしながら、ワンストップ型のサービスを提供できるようにしてきたいですね。色々できるのが、弁護士の仕事のいいところだと思うので。
ーー法律トラブルに悩んでいる人にメッセージをお願いします。
「こんなことを弁護士に相談してもいいのかな?」というような話をよく聞くんですけれども、少しでも弁護士に聞きたい気持ちがあるのであれば、変に壁を作らず気軽に相談してほしいです。判断材料は多いほうがいいですよね。相談者にとって良い決断をするお手伝いができればと思いますし相談に行く前と比べて相談後少しでも心が軽くなっていれば嬉しいです。