依頼者のよき理解者・味方であり続けたい 不安な心に寄り添い、トラブルを解決
就職活動のタイミングで弁護士を目指し始める
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
子どもの頃にテレビで事件の報道を見て、犯罪者の心理や刑事事件に興味を持ち、漠然と弁護士に憧れを抱いていました。本格的に弁護士を目指そうと思ったのは、就職活動を始めてからです。
大学時代の私は、講義はそこそこに、試験前に集中して勉強するような学生でした。法律分野の勉強は好きで、楽しみながら学んでいた記憶があります。進路がなかなか定まらず、当初は一般企業への就職活動を行っていたのですが、次第に法律に関わる仕事をしたいと考えるようになり、法科大学院に進学することを決めました。
ーー学生時代の思い出を教えてください。
大学時代は、スカやレゲエなどのラテン音楽のバンドサークルで活動していました。私の担当はギターで、仲間と練習したりライブをしたり、すごく楽しかったです。授業に出るより、サークル活動に熱中していました。
打って変わって、法科大学院では勉強中心の日々でした。1日10時間以上机に向かって司法試験に備えていました。やはり法律を学ぶのは楽しく、特に刑法や刑事訴訟法を学ぶ中で刑事事件に対する関心も高まりました。
心がけているのは「依頼者を不安にさせないこと」
ーー注力分野を教えてください。
いわゆる「町弁(マチベン)」として、離婚・男女問題や交通事故、犯罪・刑事事件、遺産相続など、幅広く対応しています。経験したことのない事件や入り組んだ事案を依頼されることもあり、その都度調べながら解決策を考え、対応しています。
忙しい日々ですが、依頼者の話をきちんと聞くことは常に心がけています。大事な事実が見つかったり、依頼者の本当のニーズが把握できたりして、よい解決につながると考えているからです。
ーー仕事をするうえで心がけていることを教えてください。
一番大切にしているのは、依頼者を不安にさせないことです。相談にいらっしゃるときは、みなさん不安な気持ちを抱えています。依頼者を安心させることは、弁護士の重要な仕事だと思っています。
私は、どんな悩みにも必ず解決策があると思っています。「大丈夫ですよ」「必ず解決できますよ」と言葉でも示すようにしています。
あとは、依頼者と密に連絡を取り、事件の進捗を報告することでしょうか。丁寧にコミュニケーションを取ることも、依頼者を不安にさせないことにつながっているのではないかと思います。
もう一つ、依頼者のことだけを考えるのではなく、相手方や事件の関係者にも配慮しながら活動することを心がけています。
弁護士は依頼者の代理人なので、依頼者のことだけを考えていればいいという考え方もあるかもしれません。しかし私は、相手方や関係者にも敬意を払って丁寧に接することで、余計な感情的対立を避けられると考えています。そのことが和解につながるなど依頼者の利益になる可能性もありますし、人としての一定の配慮は、争いの内容に関係なく必要だと思っています。
結果はもちろん、「過程」も大切にしたい
ーー弁護士として活動してきた中で印象に残っている出来事はありますか?
月並みですが、やはり依頼者から「ありがとうございました」「先生のおかげで助かりました」などの言葉をいただいたときは、やってきてよかったなと元気づけられますね。
そういう言葉をいただいた事件の中でも、特に印象に残っている出来事があります。国選弁護人として、住居侵入・窃盗で逮捕された被告人の弁護を担当したときのことです。彼には同種前科が多数あり、執行猶予付きの判決を得ることは難しい事案でした。
接見で話をするなかで、彼の辛い生い立ちを知りました。私と彼は年齢が近く、とても苦労したんだろうなと感情移入をする部分もありました。接見のときは、弁護士としてだけではなく、一人の人間として、いろいろな話をしました。
判決は想定通り実刑となり、彼は刑務所に入ることになりました。私の国選弁護士人としての仕事は、ここで終わりました。そんなある日、彼から手紙が届いたんです。
そこには、「ありがとうございました」という感謝の言葉とともに、「先生のように親身になって話を聞いてくれる弁護士さんは初めてでした」と綴られていました。前科を重ねて、刑務所に行くことをわかっていた彼は、自暴自棄になり生きる気力を失っていたそうです。しかし、私といろいろな話をするなかで「もうちょっと生きてみてもいいかな」と思い直したと書かれていました。
手紙を読んで胸が熱くなりました。彼には多数の前科があり実刑判決が出ることは明白でした。そのため、実刑判決という「結果」だけを見れば、私は彼に何の貢献もしていません。しかし、結果に至るまでの「過程」において彼の力になれたのだと感じ、とても嬉しかったです。今後、彼が更生して真面目に生きていってくれるのであれば、私も少しは役に立てたのかなと思えます。
私は、結果はもちろんですが、過程も大切にしたいと考えています。たとえ結果は同じであっても、そこに至るまでの過程の違いで依頼者の納得感は大きく変わり、それが事案の解決をも左右し得ると考えているからです。
病院に行くように法律事務所を身近に感じてもらいたい
ーープライベートについても伺います。趣味を教えてください。
犬を飼っています。ミニチュアシュナウザーです。休みの日は遠くまで散歩をしたり、ドッグランに連れて行ったりしています。時々、犬も一緒に行けるレストランで食事をして、愛犬と過ごす時間を満喫しています。趣味は「愛犬」ですね。
ーー今後の展望を教えてください。
今と同様に、町弁として一つひとつの事件に真摯に向き合い、解決していくことです。
「町弁」とは、町医者の弁護士バージョンと思っていただけるとイメージがつきやすいかもしれません。体調を崩したら近所のお医者さんに診てもらうのと同様に、トラブルや悩みごとがあったときに、弁護士のもとに気軽に足を運んでもらいたい。安心して頼っていただける存在となれるように、これからも頑張っていきたいと思います。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
この世の中のトラブルに、解決できないことはないと思っています。もちろん全てが法律で解決できるわけではありませんし、全てを私が解決できるわけでもありません。ですが、そのような問題であっても、弁護士として、解決の糸口を探したり、適切な相談窓口を案内したりすることもできます。まずは気軽に相談に来ていただけたらと思います。